ネットに影響される人の日記

ネットに影響される人の日記

影響されたり、観たり、聴いたり、食ったり。

映画2022年7月

7月が終わりました。6月分はこちらです。

htnmiki.hatenablog.com

 

もはや低調続きにも慣れてきた今日このごろ。せめてうまいもんでも食ってないとやってられんわと過ごしていたら健康診断結果が届きまして昨年に続いてコレステロールが基準値オーバーで今年はさらに中性脂肪が基準値上限ギリギリのメタボまっしぐらという状況。本当に困ったんがー。仕方なく「あすけん」で記録を始めたらバランスの良い食事は難しいということがわかりました。いまさらですね。まあぼちぼちやっていくしかない。というわけで7月分、行ってみましょう。

 

49. ブラック・フォン
子供ばかりが被害に合う連続失踪事件に巻き込まれる兄妹の物語。予告編ではホラーかと思ったけどちょっと違う。そうした要素はあるけど基本的にはサスペンス&ジュブナイルといった感じで私の大好物でした。少し弱気な兄フィニーと勝ち気な妹グウェンがひたすら愛おしい。フィニーは賢い子なので自分より前に失踪した子たちのことをしっかりと覚えていてそれが後に役に立つ。そしてグウェンが時々見る「夢」が役に立つ。失踪した子供たち、さらわれたフィニー、そしてグウェンの総力戦におじさんグッと来ちゃったよ。特にフィニーと親友ロビンの関係はまさに王道。古くは「スタンド・バイ・ミー」のゴーディとクリスを思い出してしまう。はぁ、尊い。子供が被害にあう物語なのでつらいんだけどクソ暑い日に「あの頃の懐かしさ」で鼻の奥がツンとする素敵な作品でした。ただ、アル中パパの件が解決されてないのがつらい。


50. 映画 ゆるキャン△
テレビシリーズを少し前にアマプラで一気見していたので本作も見ておきました。高校生だったテレビシリーズから一気に社会人数年目になる本作。出版社で名古屋転勤して小さなタウン誌の編集をやっている志摩リンに千明がダル絡みからのタクシーで山梨へひとっ飛びするところから廃墟となった施設を再生してキャンプ場を作るという物語。千明はイベント会社から山梨県の観光推進機構に転職、なでしこはアウトドア用品店の店員、イヌ子は小学校教員、恵那はトリマー、みんなちゃんと働いていて偉い。5人もいれば1人くらいおかしくなっているもんだろうというツッコミは本作には無粋だな。わりとありがちな社会人に立ちはだかる壁がそれぞれにありつつも恵まれた人間関係で乗り切るのはファンタジー感あるけど恵まれた人間関係が降って湧いてくるわけじゃないしやることやってるわけでみんな苦労してるわけですわ。しがないサラリーマンの私はそれだけでじんわりです。恵那とちくわのシーンで「あれ?ちくわ死ぬの?」みたいなところがあってああいうのホント勘弁してほしい。久々に見たイヌ子のおっぱいが相変わらずおっぱいだった。桜不足。


51. 神は見返りを求める
怖い映画だった。おっさん(ムロツヨシ)と泡沫女性YouTuber(岸井ゆきの)が動画制作で信頼関係ができた頃に売れっ子YouTuber(吉村界人)とキラキラデザイナー(柳俊太郎)が現れて泡沫女性YouTuberが人気者になっちゃっておっさんが邪魔になりおっさんを切り捨てたらおっさんブチ切れて大騒ぎという物語。と書くと「勘違いおっさんが勝手に夢見て傷つく自業自得物語」に見えそうで実際そういう面が無いとは言わないけどそうでもなくてある意味誰でもこうなる可能性あるんじゃねーの的な感覚になるのが怖い。おっさんに下心がゼロとは思わないが基本は善意で協力している。女性YouTuberはそれが善意だと理解した上で協力関係を築いてきた。これといった才能のない女性YouTuberがたまたま人気者にあやかり面白くもないことをやり自身も人気者になる。突然現れたビッグウェーブを「自分の実力に見合わない」とスルーできる人がどれだけいるか。そんなビッグウェーブに乗ってしまったときに初期衝動が邪魔にならないか。与え続けてきた善意を仇で返されたときに冷静でいられるか。映画を見てる客は神視点だからなんとかできそうな気がしちゃうけどいずれの立場でも当事者になったときに冷静でいられる気がしない。下心キモいという批判は甘受するが人を虚仮にするリスクは自覚したほうがいいかと。YouTuber界隈の描かれ方がだいぶ古いステレオタイプに感じるけどそこは本題ではないので一旦置いて見たほうがいいと思う。ムロツヨシの後輩役の若葉竜也がありもしない人の悪口を伝達するというクソムーブっぷりでかなり頭おかしくてとてもよかったです。ムロツヨシ岸井ゆきのが互いに自分がしてきたことの無意味さに気づく瞬間もよかった。パルコのオープニングロゴの右下の「広告の後に動画は再生されます」はワロタ。


52. ビリーバーズ
カルトの教えの実践のために小さな無人島で暮らす男2人と女1人。彼らの1日は睡眠中に見た夢の報告から始まる。日々記録することが大切なのだ。夢には啓示も現れれば邪念も現れるため邪な夢を見た場合は穴を掘りそこへ入り自身の浄化を行う。この島へウェーイ系が闖入したことをきっかけに3人の中に心の乱れがうまれたことから俗世の欲望との戦いが始まる。私は特定の信仰や帰依とは無縁の人生を送っているため当事者の感覚にはどうやっても近づくことができない。しかし、信仰が心の持ちようだとするならば意思とは無関係な生理的欲求との対峙が避けられないだろうことは想像に難くない。信仰と欲望がまだらに存在する人間臭さが客観的に見てとてもおもしろかったが当事者の苦しみは計り知れない。それはそうと、濡れて肌にTシャツが張り付いたおっぱいって最高ですね。ナイスおっぱい。そういや原作の山本直樹が出ていたことをエンドロールで知りました。


53. ソー:ラブ&サンダー
ソーってこんなにもギャグ映画だったのか。というのもソー単体作品を観るのはたぶん初めてなもので。しかも序盤はガーディアンズ・オブ・ギャラクシー要素もアリで完全なるギャグ映画。まあその後も基本的にひたすら楽しいので楽しくなりたいときにはもってこいですね。ジェーン・フォンダのネタとか本国でも若い人はもうわからなかったりするのかな。そしてエンヤはいつからギャグ要員になってしまったのか。←失礼 ガンズはまあしょうがない。←失礼 ゴアがガンガン神殺し中でも安全圏で酒池肉林のゼウス(ラッセル・クロウ)たまらんね。レミゼの頃はカッコいいおっさんだったのにあの太鼓っ腹が最高すぎる。新ソー(ナタリー・ポートマン)も素晴らしかった。ああいう上腕二頭筋に興奮しますね。絞められたい。ムジョルニアに嫉妬するストームブレイカーもかわいいし小籠包の神もかわいいし決め台詞で悩む新ソーもかわいいしみんなかわいいよ!


54. X エックス
若さを失って満たされない老夫婦が若者に嫉妬してバチボコに殺しまくる映画です。そんな老夫婦が持つ敷地内別邸を借りることになった3組のカップルからなる自主映画制作グループ。若いだけでも嫉妬の対象だがこのグループが制作中の作品はポルノだったので余計にね。老夫婦の抱える「満たされなさ」のひとつがセックスだったからさあ大変。いやーきつい。40過ぎた私も既に感じているけれど年をとるごとにかつてできていたことが少しずつできなくなっていく。私自身は失われるものに縋るよりできることを深めるスタンスでいたいと思っているけどこればかりは年取ってみないとわからんよなあ。マキシーン(ミア・ゴス)のノーブラ&オーバーオールからの横乳たまらんですね。ナイスおっぱい! エンドロール後の映像からすると続編があるんですかね。楽しみだ。


55. リコリス・ピザ
先日観た「ブラック・フォン」も夏にぴったりでしたが本作「リコリス・ピザ」も夏に最高でした。甘酸っぺー。基本的にこれといった事件は起こりません。ゲイリー(15歳男子)がアラナ(25歳うだつの上がらない写真屋助手)を相手の年齢も知らずにナンパするところから始まる物語。25歳女性を口説く15歳男子、15歳男子に口説かれる25歳女性。出会いのシーンでゲイリーを歯牙にもかけない態度のアラナが歩きながらのその会話の最中に少し見せる「あれ?これワンチャンあるかも?」的な表情ズルいわ。同世代に手を付けまくってるゲイリーなんてこんな女性にイチコロっすわ。現代の現実の感覚で「淫行禁止!」とか言う人はお帰りください。社交的で野心家のゲイリーが始めたビジネスに乗っかって楽しく過ごすものの15歳たちの中に25歳の自分がいることに対する不安。年相応の彼氏を作ってみたもののユダヤの戒律に苦しむ。25歳といえど大人になりきれていないことを自覚しているアラナの言動がかつて私自身が通った道っぽくて甘酸っぺー。一方ゲイリーはなんでもできる自信家なのに自由にならないアラナにイラつくこともあれど結局最後に気になっちゃう存在で他の女にはできたことがアラナにはできなかったりと15歳なりの葛藤を抱えて苦しむ。ゲイリーとアラナの「自分のほうがクールだぜ」マウンティング合戦はただただ痛いんだけど互いに引くに引けないに観客としても目を背けたくなる。結論は観てください。そういや中盤の老人たちのクソつまらん思い出話のくだりはきつかったな―。このきつさに意味があるのはわかるけどなげーよ。そしてバーブラ・ストライサンドは何なの?すげー流れ弾当たってるよねw トラックのガス欠から突然始まる「ベイビー・ドライバー」的カーアクションは楽しかったなー。


56. グレイマン
いやーおもしろかった。最初から最後まで全力疾走なのにダレない飽きない。いまどきこんな作品が作られるんだな。物語はボーンシリーズやミッションインポッシブル的な感じでCIA直轄の非合法暗殺組織に雇われる最強の暗殺者、通称シックス(ライアン・ゴズリング)が冒頭に手掛けた相手が実は同じ組織の通称フォーだったことから上に疑念を抱くところから始まる。さんざん活用した非合法組織が単に邪魔になったから消されるありがちな展開に何も知らないCIA捜査官ミランダ(アナ・デ・アルマス)が巻き込まれ成り行きでバディ物に。さらにシックスの恩人の姪クレア(ジュリア・バターズ)が誘拐されかつてシックスとクレアは奇妙な同居生活を送った絆があるためシックス激おこ。この誘拐犯ロイド(クリス・エヴァンス)が完全なるあたおか野郎でさてどうなるか。キャプテン・アメリカのイメチェンもいい感じ。クリエバとアナ・デ・アルマスは「ナイブズアウト」で共演してたか。そういやアナ・デ・アルマスが髪型のせいかベッキーに見えて仕方なかった。そして超絶美形少女ジュリア・バターズ、何者かと思ったら「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のあの子かよ。凄いわけだわ。末恐ろしい。


57. キングダム2 遙かなる大地へ
本当に申し訳ないんだけど第一印象は「こんなに下手だったっけ?」という。前作も見てるのでその時の感想を見返したら本郷奏多のことしか書いてなかったのでそういうことだったのかなあ。今作、吉沢亮の大王様?とか見てらんなかった。と、書きながらだんだん思い出してきた。前作、長澤まさみが出てたんだ。演技はまあ置いといてあの役柄はよかった。今作には出なかったけど次回作には出そうです。あと大沢たかおのキャラが立ってたんだ。今作でもそれは現在でガチムチおねえ言葉の大沢たかお良いですね。そして橋本環奈は今回ほとんど出番なし。忙しかったのかな。物語は前作よりかなり単調で基本的に戦闘シーンが続くのでダレるといえばダレる。そして兵站がほぼ描かれないというかせめて食事シーンのひとつくらいあってもいいんじゃなかろうか。今作の目玉キャラのひとつ清野菜名演じるきょうかい。「あずみ」的に育てられた悲しい設定がいまいち活かされてないというかなんか勿体ない。今作良かったのは千人将縛虎申の渋川清彦ですかね。かっけー。そういや「カメラを止めるな!」のリメイク作品「キャメラを止めるな!」がちょうど公開開始されましたがオリジナル側の監督役の濱津隆之が伍長役でなかなかいい感じでしたね。出世したなあ。というわけで今作は正直微妙だったので次回作に期待したい。とりあえずガチムチ大沢の「ワラベシン」を着ボイスにしたい。(したくない)


58. ボイリング・ポイント/沸騰
高級レストランの開店直前から90分をノンストップワンショットでとらえた作品です。単なるドタバタコメディ的なものかと思ってたらサラリーマンあるあるのプロジェクトマネジメント物でした。飲食店関係者はもちろんだけど普通のサラリーマンにも見に覚えのある場面が多くて胃が痛くなる。冒頭のHACCP検査官とのやり取りで既にイライラ。サボるメンバー、ルールを守らないメンバー、多重請負でスキルアンマッチなメンバー、技術職vs営業職、冷やかす外野、もうやめて! さらっと描かれるアルコール依存症、ゲイに対するハラスメント、人種差別、高級レストランくらい夢見させてくれよ〜。ファミレス「ジョナサン」のパワハラ暴行傷害事件で厨房の怒鳴り声に客から本部へ報告があったらしいがこんな環境じゃ美味いメシもマズくなる。飲食界隈の皆様、いつもお世話になっております。これからもよろしくお願いいたします。そういえばフロアマネージャーの女性めっちゃタイプだった。


59. 劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM』[後編]僕は君を愛してる
たとえそれが救済であっても「なかったことにする」物語が苦手なんすよね、私は。これはTVシリーズのときも思ったことで。なので、他の結末はなかったんだろうかと今回も思いましたよと。いやいやおまえはなにもわかってない、とのお叱りも受けそうですがそれもしかたない。そもそも「なかったこと」にはしていないという見方や、「なかったことにする」以外に救われる道はあるのか? とかいろいろあるだろうし。TVシリーズと違う結末にしたらそれはそれでアレかもしれないし。とか言ってますけど作品を通して楽しめたのは事実なので好きな作品だと言えます。まあでも何も知らずに今年の春先にTVシリーズを見始めてたしか13話あたりだったか突然の激重展開にどう反応していいのかわからなかったりなかなか大変な作品だったな。


60. 夜明けの夫婦
城山羊の会山内ケンジ監督作です。二世帯住宅で姑から子作りの圧力をかけられる嫁、妻のプレッシャーから逃げる夫、教え子の子供を見て羨む姑、嫁の夢を見て勃起する舅、ひとつ屋根の下で2組の夫婦が直面するデリケートな問題に淀む空気。うーん、面白いと言えば面白いんだけど、乗り切れなかった感もある。今どきこんな昭和な価値観の姑がいるのかね。まあいるんだろうけどあまりに自分の価値観から遠すぎてすんなり入ってこなかった。そして何らかの意図があるのかカメラワークがアマチュアっぽいというか演出が演劇的というか。出演者もいつもの舞台のメンツということを知ってるから先入観でそう見えてしまうのかなあ。若夫婦役の鄭亜美と泉拓磨がとても良かった。妻(鄭亜美)めっちゃ可愛かったなあ。夫(泉拓磨)の逃げっぷりもクソすぎて素晴らしい。鄭亜美はハイバイ所属らしいので舞台も見てみたいな。ちなみに本作はR18+でちゃんとおちんちんが元気になりました。ナイスおっぱい。しかしR15+とR18+の違いがよくわからんな。西部邁ネタワロタ。リスカなんて重いもの見たくなかった。


61. 1640日の家族
1才半のシモンを里子に迎えたアンナとドリス夫妻。妻を亡くした実父エディとの月イチの面会を続けながらも4年半を家族として過ごしてきてアンナとドリスの息子アドリとジュールとも兄弟同様のシモン。幼いながらもシモンは自分が里子であること、この「両親」が里親であることは理解しているが、同時にアンナは「ママ」だった。ある日突然、担当の里親コーディネーターから実父がシモンを引き取る方向ですすめたい旨を聞かされるアンナ。シモンは週末に実父と過ごすようになるが、という物語。いろいろと憤りを感じる部分があったんだけど、里親もコーディネーターも実父もそれぞれが幸せを願った結果ということに、第三者でしかも子育てをしたことがない私の感情になんの意味があるのかなんてことを思うなど。まあそれでもコーディネーターの「じゃあ他の子を迎えれば」には (゚Д゚)ハァ? ですよねー。唯一当事者でないコーディネーターの役割って難しいなと。


62. 女神の継承
女神バヤンを代々受け継ぐ祈祷師一族の現在の継承者はニム。姪のミンの体調不良から母ノイは不仲のニムには頼らず他の祈祷師を訪ねるがここでの儀式が逆に悪霊を呼び寄せてしまい最悪の結末へ。本作はこの祈祷師一族を取材する番組制作スタッフによるドキュメンタリータッチとなっています。女神バヤンや祈祷師というものにおそらく懐疑的なスタンスで撮影が進む中で説明不能な怪異を目の当たりにしてターゲットをこちらに変えて撮影続行。なんかヤバい、という直感は大切にしたいですね。宗教との狭間にある土着信仰のようなものについての考え方はいろいろだろうけど私は否定はしない立場。私自身は無信仰ですが、私にとっても特定の信仰を持つ者にとってもなかなかショッキングな事実を最後に提示されるので、そういうことを考えるきっかけにもなる作品だと思う。とはいえ結構グロいので閲覧注意。そうだ忘れるところだった。ナイスおっぱい。


63. C.R.A.Z.Y.
ブルース・リーデビッド・ボウイに憧れる少年、ボーリュー家の四男ザックの物語。男性性のアイコンと中性性のアイコン両方に憧れることが意味するところ。60〜70年代のカナダ・ケベックで保守的な父から男らしさを求められて育ったザックは父の期待にこたえながらもしっくりこない自分に気づいておりついに気になる男子とチョメってしまう。現代ですらようやく理解のスタート地点くらいの状況なので当時はそれこそ致命的な事実であり社会の価値観や正義と自分のアイデンティティが衝突する場合にどう生きればいいのか。このザック、クリスマスに生まれてちょっと特別な能力があるということなんだけどこれが本編にどう繋がってるのかよくわからなかったんだよな。ママがアイロンでトースト作るのワロタ。トースト専用アイロンなんだろか? クズ兄貴の生きづらさはこういう物語にあるあるなんだけど嫌いではない。ところでこの作品は2005年の作品らしくてまあいい作品を配給してくれるのは嬉しいんだけどさすがに17年もたつとどうなんだろうなと思わなくもない。

 

ではまた8月分で。

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