12月が終わります。11月分はこちらです。
緊急事態宣言が解除されてしばらくたち感染者数も低い水準で維持されていたので映画館の間引き販売も終了して全席販売となったため窮屈に感じる今日このごろ。慣れって怖いですね。とか思ってたら連日一桁から二桁へ微増傾向。ファッキンオミクロン。また数千人とかになったらヤバいっしょ。なんとか気を引き締めていきたいところ。というわけで12月分、行ってみましょう。
121. パーフェクト・ケア
クライムサスペンスとしておもしろい映画のはずなんだけど主に個人的な理由で最初から最後まで胸くそ悪い作品でした。老人を食い物にする、ただこれだけなんだけどこれが無理だった。なぜなら食い物にされる側(母)が身近にいるから。こんなことで映画が楽しめなくなるということが20年前は想像もできなかったがとにかくダメだった。犯罪映画に倫理観を求めるなんて馬鹿げたことはしたくないので私には合わなかったというだけ。私にとって「そんな映画」の中で主人公がひどい環境から成り上がりまたフェミニズムの体現者みたいに描かれているのも辛い。正論ぽく聞こえる強い台詞が虚しい。悪事のツケもそれじゃ全然足りない。ただ一点のみでこんな感情になってるのでそこに引っかからない人には面白い作品だと思います。あと、バディ役のエイザ・ゴンザレスがかわいい。見覚えある気がしたら「ブラッドショット」で気になってましたね。
122. ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ
良いニュースと悪いニュースがある。良いニュースは上映時間が97分ということだ。悪いニュースは間違えて吹き替えで観てしまったことだ。前作に続きエディとヴェノムのイチャイチャライフに磨きがかかった今作。とある取材対象キャサディに手を噛みつかれたらそいつからカーネイジが出現。つーかシンビオートのことがよくわからないんだけどエディの中に複数のアレがいて他をずっと抑えてた寄生獣の後藤方式なのか、寄生する個体によって別のアレが出現するのか。まあとにかくヴェノムvsカーネイジになるわけだがエディとヴェノムが喧嘩別れしちゃうから困った。ヴェノムのメンタルはまだ子供なので仕方ないよね。宿主のエディが大人とも言えないけど。そういやキャサディの恋人がDCのブラックキャナリーみたいなやつなのは今後に生きる設定なんだろか。というかエンドロールまで観てヴェノムがスパイダーマン・ユニバースということをいまさら知って驚いた。MCUとは違うの? スパイダーマンとヴェノムは異なるバースなの? ドクター・ストレンジは絡むの? 年始公開のノーウェイホームと絡むの? ←少しは自分で調べろ いまチョロっと調べてたらスパイダーバースの続編が来年公開とか。楽しみだなー。って何の話だっけ。そう、ヴェノム、楽しかったよ。
123. フラ・フラダンス
聖地巡礼したくなる映画でした。いわき市とスパリゾートハワイアンズが全面協力した作品だそうです。当該地域に明るくないのだけれどかなり細かく描き込まれていそうな背景に現地を旅行している気分になりました。このタイトルを聞いて思い出すのは名作「フラガール」ですがあれは震災前の作品だったし黎明期の物語なので舞台が震災後の本作が毛色の違う作品になるのは当然か。とはいえ本作は決して暗い作品にはなってないしそういう意図もなさそう。姉に憧れてハワイアンズにダンサーとして入社した日羽、同期はフラ経験者で怖い環奈、ぽっちゃりムードメーカーの蘭子、ハワイ出身オハナ、陰キャしおん、この5人の成長物語なので悲壮感はほとんどありません。中心となる日羽についてはそこが肝になりつつも既に時間が経過している前提である程度の耐性がついているということなのかな。特に当事者たちにとってはこの描かれ方に賛否あるんだろうけど私は好意的に受け止めました。とりあえずいつか回廊美術館に行こうと思います。
124. ラストナイト・イン・ソーホー
「ベイビー・ドライバー」のエドガー・ライト監督作です。あちらの続編は主演がいろいろあって難しそうだなあ。で、本作は60年代ロンドンのファッションや音楽に酔いしれるカッコいい作品でした。といっても60年代と現代が交錯する物語です。前作とともにサントラが欲しくなりますね。ロンドンの学校でファッションデザインを学ぶために田舎から出てきたエロイーズ(トーマシン・マッケンジー)は寮のルームメイトがクソすぎて早々に離脱。ひとりで貸部屋を借りたら毎晩超リアルな夢を見ることに。その夢は、歌手を目指すサンディ(アニャ・テイラー・ジョイ)の成り上がりかと思いきや女衒に捕まり地獄をさまよう物語。この夢が次第に現実に侵食してきて……という死霊館シリーズもびっくりのホラーから犯人探しのサスペンスまで楽しませてくれる作品です。ただ、中盤ダレる部分とか気になる人は乗り切れないかも。私は前述のファッションと音楽そしてエロイーズの可愛らしさからの垢抜け美とサンディのゴージャスで悲惨な美を堪能して押し切りました。全体的に好みの作品ではあるんだけど、サンディがあまりにも救いが無さすぎてきつい。夢を食い物にされた被害者なのに。トーマシン・マッケンジーは「ジョジョ・ラビット」、「OLD」に続いて活躍中だしそろそろ大作出演とかはあるのかなー。
125. ナイトメアー・ビフォア・クリスマス <午前十時の映画祭11>
実は初見。映画にわかの本領発揮ですね。今週末に気になる作品を探してたら午前十時の映画祭の本作を見つけてそういや観てないなと。まあマトリックスシリーズも未見でせっかくの新作を観てもなあというところに本作がちょうどよかった。で、本作。わりと辛い話とほっこり話が盛り込まれていて感情が揺さぶられるやつでした。出自、役割、ディスコミュニケーション、単語だけ並べると激重でまあ実際重いんだけどそこはキャラクターの魅力と素敵な音楽で乗り切れます。サリーのジャックを想う気持ちと悲観的な性向のアンバランスが切なくもおかしみを感じられてとても良い。なんやかんやあって誤解もとけて丸くおさまった感があるけど、結局元の場所で元の役割でしか生きられないようにも見えてツラミもあったり。まあそれは外野がどうこう言うもんでもないんですけど。
126. キングスマン:ファースト・エージェント
前日譚というか組織の誕生秘話です。前2作はスマートでスタイリッシュという感じでしたが本作は全編泥臭くて別物感が強かった。そして今作は史実を絡めた物語となっており実在した歴史上の人物が実名で登場しまくります。が、混沌を生み出す人物たちが皆ある組織のメンバーというのはさすがに漫画的すぎるというか笑ってしまった。第一次世界大戦直前の悪の組織とキングスマン(仮)の暗躍が描かれており開戦阻止ではなくアメリカ参戦で事なきを得るみたいな話で結果的にそうだとしてもまあ戦勝国の論理全開だなあと。全体的に「そうはならんやろ」が多いのでそのへん受け流しながら観るといいかと。まあフィクションだしなんでもいいんだけどね。とりあえずポリー(ジェマ・アータートン)がめちゃかわなので最高です。
127. 劇場版 呪術廻戦 0
流行には乗るタイプです。公開前にアマプラでテレビシリーズ第2話まで見たので大丈夫。というわけで劇場版を見てみましたがわりと楽しめましたね。第2話までで把握できるメンツは先生くらいしか出てこなかったけど。テレビシリーズの続きだと予習不足はきついけどタイトルの0は前日譚という意味だったのか虎杖の前の話だったので問題なかった。で、本作ですがだいたいエバーでしたと言ったら怒られそうだな。だってアニメ界隈に疎い私でも声を聞けば声優がわかる緒方恵美が乙骨なんだもん。しかも序盤にゼーレのSOUND ONLY会議みたいのもあるし百鬼夜行バトル中にミサトさんの三石琴乃の声も聞こえてくるしラスボス戦で「逃げちゃダメだ逃げちゃね逃げちゃダメだ」的なフレーズが出てきたのでさすがに吹いてしまった。狙ってやってんのかこれは? 俺が踊らされてるだけなのか? そのへんが銀魂ほどはっきりしないのでこういうときどんな顔すればいいのかわかんない。まあそれは置いといて映画自体は面白かったんだけどテンポよく作られていていわゆるタメがほぼ無いので絶望が不足しておりいまいちスッキリしなかった。とりあえずせっかく映画観たんだしテレビシリーズの続きもボチボチ見ていこうかな。
ではまた1月分で。