11月が終わりました。10月分はこちらです。
仕事のせいで金曜の夜に映画を観れない日々が続いているのが地味に影響している今日この頃。移動時間に配信作品でも観ればいいんだろうけどなんかダメなんだよねそういうの。まあそのぶん普段行けない店でメシ食ったりしていてあちらを立てればこちらが立たず(使い方おかしい)というかメリデメだよねなんて自分に言い聞かせてます。年末年始はそれなりに休めそうな雰囲気になってきたので見逃してるのをまとめて観ようかなあ。というわけで11月分、行ってみましょう。
114. アイの歌声を聴かせて
AI搭載人型ロボットがひとりミュージカルしながら幸せを強要して幸せになるまで犯罪行為も厭わない世にも恐ろしい暴走AIの物語でした。しかもこのAIには秘密があって、この人型ロボットを乗っ取っていたことが後に判明するんだけどそれがまた恐ろしいのなんのって。初期に作られたおもちゃ用AIが廃棄される寸前にインターネットに逃げ込んで世界中のネットワーク接続機器をハックし続けて、ある少女を7〜8年くらい監視し続けていた。はたしてこのAIの目的は。というホラー映画ではなく、とってもハートウォーミングな作品ですよ。だいたい合ってるけど。しかし冒頭のシーンで音声認識AIがいろいろやってくれるんだけど、SF作品におけるわかりやすいSFっぽさってどうなっていくんだろうな。だってこのシーンのほとんどがGoogleHomeやアレクサで既に実現しちゃってるので、個人的には未来感が感じられなかったんだよね。今後のクリエイターは大変だ。メインキャストをタレントが演じているんだけど全然気にならなかった。特にAI役の土屋太鳳は微妙にズレてる感じとか歌の上手さとかとてもマッチしていて良かった。
115. エターナルズ
ニチアサのヒーロー物っぽかった。ニチアサ見てないからわからんけど。面白かったんだけどいきなり全員集合していてみんなつよつよで目からビーム出したりしてるとラーメンの全部盛りみたいな印象も否めなくてよくわかんねえなこれ。まあここから新たに始まるということでキャラ紹介で的な展開でマッカリかわいいよマッカリ。今作のメインとなるセルシ(ジェンマ・チャン)が大久保佳代子に見えてしまって最後まで大久保さんが頭から離れませんでした。そしてみんな大好きマ・ドンソク、イカンでしょそれは、という。なんとなく乗り切れなかった理由のひとつがラブストーリー推しだったこと。イチャイチャしやがって。本作を観てわかったのは「ルパンVS複製人間」のマモーはエターナルズだったんだろうということ。違うか。
116. アンテベラム
黒人活動家として活躍する現代パートと、人権ゼロで強制労働下の黒人の過去(前世)パートが行ったり来たりします。現代パートで過去(前世)パートの夢を見てうなされるヴェロニカ。過去(前世)パートで奴隷として綿花プランテーションで働くエデンは主人に犯される。この地獄からの脱走を企てる中、あるシーンで観客は強烈な違和感を持つ。というか完全に気づく。この先は決定的なネタバレになるので書かないけど「ゲット・アウト」や「アス」のプロデューサーが製作に関わっているらしく、これら2作品と同様に「思いついちゃった」んだろうなあ。私はこういう思いついちゃった系好きですよ。そして過去(前世)パートの描写が恐ろしすぎて震えた。人類が愚かすぎてため息出ちゃうね。細かいこと言い出すとガバい設定とかもあるとは思うけど前述の一連の作品としてもなかなか見応えがありました。ふと、こういう作品は海外でどう評価されてるのか気になって見てみたらIMDbやロッテントマトで前述2作品は高評価の一方で本作はわりと酷評に近い感じでおもしろかった。
117. マリグナント 狂暴な悪夢
DVクソ夫に頭を壁に打ち付けられて「侵入者」にDVクソ夫を殺されて流産したマディソンの物語。この事件以後にマディソンは殺人事件の現場その瞬間をその場で傍観するような幻覚を見る。するとテレビのニュースで実際に起こった殺人事件が報道される。「侵入者」の見ているものを見せられているのか? 半ば確信したマディソンは妹シドニーと警察へ行き、再び見た幻覚について調査するよう依頼。アホかと思いつつ調査するとマディソンの言うとおりの現場で死体が。正直このあたりで「あーこれ悪魔じゃね、なんか憑かれちゃったパターン。監督は死霊館シリーズのジェームズ・ワンだしウォーレン夫妻の出番だろ」とか思ってた私はアホでした。「侵入者」は何者なのか、様々な謎の辻褄が合う瞬間が気持ちいい。ゾンビ映画でもないのにバッキバキでたまらん。意外と泥臭いバトルも楽しい。マディソン、シドニー姉妹かわいい。薬物やエロではなかったので暴力残虐シーンのみでR18+になったんだろうか。たしかにグロかったので苦手な人はお気をつけて。
118. 聖地X
いやーきつかった。こうして映画の感想を書くときはできる限り否定的なことは書かないように意識はしていてもちろん書いてしまうこともあるしそういうときでもなにかひとつ良かったところ書きたいんだけど残念ながらこの作品は厳しい。夫婦で開店準備中の居酒屋で妻が記憶の一部を無くす。なくしたメガネが2つになって出てくる。ある女性の、ここにいるはずのない夫が店のトイレからでてくる。人の思念が現象化する不思議な土地。まあ好き嫌いはあれど私はプロット自体は問題ないと思うし原作がイキウメの前川知大ということで閉鎖空間である舞台なら異様な空気感がもっと際立っただろうなと思う。前川知大と監督の入江悠のタッグは「太陽」があるけどあれはもう少しマシだった記憶。まああれはある意味で閉鎖的ともいえるシチュエーションだったからかなあ。今作はオールロケが売り文句になってるけど仇にしかなってない。渋川清彦とか山田真歩とかいい役者も出てるけど使い方を間違えてるとしか。薬丸翔、ヤックンの息子らしいが正直厳しい。祈祷シーンはせめて「来る」くらい振り切ってくれればなあ。演出の古臭さも随所に。タイプ→変換のタイトルでもいいけどパソコン使う人が「X」を「えっくす→エックス→X」とかやるか? 知らんけど。スヨン役のパク・イヒョンが可愛かったです。
119. カオス・ウォーキング
スパイダーマンが待ち遠しいので観てみました。私の観測範囲ではまったく話題になっていない本作です。主演はスパイダーマンのトム・ホランドとスター・ウォーズのデイジー・リドリーなのに盛り上がりに欠ける空気はいったい。地球の環境が悪化して他の惑星を求めある星にたどり着いた第一波。着陸したらみんなサトラレになっちゃった、女を除いて。そして先住生物スパクルに女は皆殺しにされた。スパクル憎し。で、残る男たちは互いの思考が漏れまくる騒々しい中で暮らす毎日。中にはお漏らし防御ができる人も。親方!空から女が!ということで第二波の先遣隊のポッドが墜落して生存者は女がひとりのみ。生まれてはじめて女を見た男は……てな感じでサトラレネタを思いついちゃったから作り始めたけど着地点まで考えてなかったのでぼんやり終わってしまった感じがありましたがデイジー・リドリーがかわいかったからOKです。個人的には謎の先住生物スパクルをもっとほりさげてほしかったかなあ。扱いが雑すぎて同情するわ。「あいつらは憎きエイリアン」「いや私たちこそエイリアンでしょ」みたいな会話があったしもっと広がると思ったのに放置された。まさかとは思うけど続編なんてないよね???
120. ダーク・アンド・ウィケッド
結局なんだったのかよくわからない系の怖いやつは久しぶりな気がする。まあ悪魔なのかなあ。タイトル通りとにかく邪悪な何かです。父の病状が悪く心配して実家に帰省した姉弟は、母の「来るなと言ったのに」の意味を知ることになる。が、時すでに遅し。母は食事を作りながら指まで切り刻みそのまま首を吊ってさようなら。この「包丁で何かを切りながらそのまま指まで」のやつ他の作品でも何度も見てるのに本当に苦手。動転した姉弟は後ほど「足場が無かった」ことに気づく。たまに来てくれていた神父やヘルパーもまあそうなるよね。姉は責任感から最後まで父の元を離れないが、弟はヤバさを感じて家族の待つ自宅へ。自宅に入るとそこには……って大切な人を騙る悪魔マジ鬼畜。なんなの? 悪魔って心理学とか履修してんの? というわけでとにかく全編不穏でちょいちょい声出ちゃったおっさんは私です。
ではまた12月分で。