2人の女。20年前。家庭にインターネットが普及した時代。匿名掲示板──。
全く違う場所で生まれ育った女性２人が、インターネットで出会う。
誰にも話せなかった家庭と世間に挟まれていた2人は、ようやく打ち明けられる場所をネットの中に見つけた。
記憶の世界をぐるぐると巡りながら、それぞれの身に起こる出来事を経て、とある決断を下す現在までの20年間を描く。
■作・演出
池田 亮
■出演
昭和、平成、令和をまたぐ3世代にわたるファミリーヒストリーでした。そしてタイトルの通り娘、各時代における女性の生き方、生きづらさを、思わず目をそむけたくなるような場面まで包み隠さず見せる。女性が学を修めること、女性が外で働くこと、（男性）社会全体がそれを阻害していたこと、こうした話が全く理解されないファンタジーになるまであとどれくらいだろう。救いを求めたネット掲示板にある決意を書き込む女性。そこについたレス「禿同」というたったひと言。まさか私が「禿同」にこんなにも胸が抉られる日が来るとは。今年の舞台納めとなった本作、見応え十分でした。宮崎吐夢、登場シーンは飛び道具的だったけど結局ガチでしたね。そりゃそうか。飄々とした役がよく似合う。山中志歩、たしか根本宗子の作品で初めて見てそれ以降もちょくちょく見かけていて、奥歯に物が挟まったような表現が素晴らしい。作・演出の池田亮、そしてゆうめい、恥ずかしながら知らなかったんだけど要チェックリスト入りですね。ググったらこの池田亮、今年世間を賑わせたウマ娘プリティーダービーのテレビシリーズの脚本も書いていたとか。おもしろい繋がりがあるもんだ。
