ネットに影響される人の日記

ネットに影響される人の日記

影響されたり、観たり、聴いたり。

映画2021年2月

2月が終わります。1月分はこちらです。

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2月中旬まで余裕こいてたらめちゃくちゃ暖かい日を境に一気に襲いかかってきたフラワーパウダー(そんな英語はない!)の猛威に瀕死の毎日です。毎年この時期に「来季までには舌下免疫療法やるぞ!」と思うのにゴールデンウィークあたりにはすっかり忘れてまた春を迎えるという。花粉公害訴訟が始まったら参加したいと思います。というわけで2月分、行ってみましょう。

 

12. 哀愁しんでれら
母親に捨てられて、彼氏が職場の先輩とヤッてるところを見ちゃって、風呂で爺ちゃんが倒れて、家が半分燃えて、不運や不幸が重なるときってあるよねー、ってときに偶然王子様に出会って結婚して人生うまく回り始めて絶好調と思いきや夫は変態クソ差別男で夫の連れ子は闇落ちしていてさてどうなるか……というお話です。この親にしてこの子ありって感じなんだけど子供って本当に謎が多い存在だしなんでもかんでも親のせいにするのもアレだし、子育ては大変だなという月並みな感想ですね。子育て経験はありませんが、できる気がしない。すべての親を尊敬します。自分の子が本当に悪いことをしていたらどうするんだろうな。そういうことをしてしまう心理状態になるまで気づいてやれなかった親のせいってことになるのかな。夫役の田中圭がちゃんと気持ち悪くてとても良かった。そして土屋太鳳が演じる妻が覚悟を決めたときの目が最高でしたね。全体的に「いかにも」な展開が「いかにも」感をあまり隠さずに進むので苦手な人は結構いそうな気も。私はそれ込みで楽しめました。まあラストはさすがにアレだけど、医者がその気になったら怖いなとは思う。土屋太鳳といえばラジオの一人喋りが面白いんですよね。って以前書いた気がするなと思ったら書いてた。そういや映画に出てくるカフェの内観がなんとなく見覚えあるなとあとでググったら私がたまに行く川口のsenkiyaでした。さすが自称カフェ&スイーツ系インスタグラマー。


13. 樹海村
昨年の「犬鳴村」に続いて清水崇の村シリーズ第二弾だとか。犬鳴村は面白かったんだけど怖さはそれほどでもなくてバッキバキのクリーチャーはかっこよかったという感じでしたが、今回の樹海村はちゃんと怖いホラーでしたね。でも樹海村といいつつ基本的にはネットでも有名なコトリバコがメインですねこれは。母の心中から生き残った姉妹、なんか見えちゃう妹と、そんな妹を疎ましく思う姉。友人夫婦の引越し先の家の軒下に何か気配を感じた妹に気づき、そこから箱が出てきちゃって、触れた人、触れてないけど関わっちゃった人、ほとんど無関係の塚地武雅あたりが轢かれる燃える落ちる操られるてな具合でバンバン死んでいきます。妹が統合失調症扱いで入院中に身の回りで人がバンバン死んでいく姉の追い詰められ方が「もうやめてあげて!」てな感じでたまらんですね。ただし第一弾の犬鳴村もそうだったんだけど呪いのルーツがちょっと詰めきれてない感じで、今回は樹海で自殺しようとして死にきれなかった人たちが樹海の中に村を作っていてそこで作られた箱ということなんだけど、なんか取ってつけたような話になっちゃって、うーん、という。まあでもちゃんと怖い和物ホラーは良いですね。I am Groot. ←おい


14. すばらしき世界
学力については持つ者と持たざる者の格差問題がだいぶ共有されてきたし最近では上野千鶴子の東大入学祝辞が話題になったりでその存在が公になった感がある。で、先日観た「ヤクザと家族 The Family」、そして今回観た「すばらしき世界」、この2作品を続けて観て思うのは、キレやすい・我慢できない・暴力沙汰を起こしがち、これらの性格や性質の責任はどこにあるのかという。私はそうした性質を持たずにわりと平穏に生きているけれど、これは私自身の努力で得た性質なのか? すべて個人の努力、すべて環境の影響、どちらも極論で、実際は複雑に絡み合っているのだと思う。ただし、それでも環境や生まれ持ったモノの影響が大きいならば、それを個人の責任とするのは残酷ではないか。なんてことを考えていたら絶望感が押し寄せてきた。私はこの状況に対してなにもせずに「たまたま」得た性質により平穏に生きている。このことが原罪のように思えてくる。「人権」や「平等」という崇高な言葉の軽さに目眩がする。と、恵まれた側の私が思うことの気持ち悪さ。なんてことを書いた翌日には忘れて面白おかしく生きていく。やべーだろこれ。辛気臭い話はこれくらいにして、久々に見た梶芽衣子が役柄もあってとても穏やかで丸く温かい雰囲気でほっこりしました。梶芽衣子ってキツいイメージあるでしょ。私の中の梶芽衣子教師びんびん物語の島津響子ですね。役所広司はもちろんですが、仲野太賀が素晴らしかった。2017年に観たM&Oplaysプロデュース「流山ブルーバード」でも良かったんだよなあ。


15. 花束みたいな恋をした
労働が人間に与える悪影響を詳細に記録した実録映画でした。というのは半分正解で半分不正解です。面白いか面白くないかでいえば面白かったけど、正直なところいまさらこんな恋愛あるあるを見せられてもこれといった感情が生まれないくらい人生を諦めてしまったので、あえて言うなら「無」になったという感じです。なんて言いながらも、若いっていいなという感じでもあります。「ああ、もうこういう作中のような感情の高ぶりがないまま死ぬんだろうな」と思うと少し寂しくもなりましたね。久しぶりに恋愛してみたくはなった。まあ本作のように一から十まで趣味が一致してたら取っ掛かりはテンション上がるだろうけどそれ以上に窮屈そうだなと思うけど。ファミレス店員役がめっちゃ可愛かった。押井守が結ぶ縁なんてあるんですね。我らがバイプレイヤー岡部たかしが本作でも絶妙でした。あなたの岡部たかしはどこから? 私はここから。15分の短い作品なので暇な人はぜひ。

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そしてエンドロールで久々に名前を見た鬼怒無月、ずいぶん前にEraというかTONOを聴きまくってた時期もありました。

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16. あの頃。
青春、卒業、人生。みたいな作品でした。音楽で食っていく夢に挫折しかけたときに松浦亜弥に出会いハロヲタ街道まっしぐらでハロヲタ仲間と楽しく過ごした日々を描いた劔樹人の自伝的原作の実写化です。劔樹人って誰だよって感じでもこの人といえば覚えてる人もいるんじゃないかな。

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まあそれは本題じゃないので置いといて。本作、もっとアイドル寄りになるかと思ってたらそうでもなかったかな。いや、私がドルオタだからそう感じるだけで、世間的にはアイドルどっぷりの気持ち悪い世界なのかな。10年前の私にはそう見えたかもしれないな。推しと、推し仲間と、人生、わりと汎用的な物語なので色眼鏡をはずして観ることはできる作品だと思う。40過ぎても将来を考えるとことから逃げ続けてる者としては痛みを感じるし、それでも今が一番楽しいといえる生き方をしたいし、どうすんだろなこの先。終盤に仲間の一人を亡くすんだけど、どんな気持ちなんだろう。私には私を含めて4人で毎年集まる学生時代の友人がいるけど、この近さの人を亡くす経験がまだないので。改めて、私も年を取ったもんだ。なんか最近闇落ちしそうな空気を自分でも感じているので気をつけよう。アゲていこう。こんなときはBEYOOOOONDSだ!(現ハロヲタ並の感想)ちなみに西田尚美が出ている俺得映画でもありました。


17. DAU. ナターシャ

オーディション人数39.2万人、衣装4万着、欧州最大1万2千平米のセット、 主要キャスト400人、エキストラ1万人、制作年数15年…… 「ソ連全体主義」の社会を完全再現した狂気のプロジェクト !

撮影は徹底的にこだわって行われ、キャストたちは当時のように再建された研究所で約2年間にわたり実際に生活し、カメラは至るところで彼らを撮影した。本作には本物のノーベル賞受賞者、元ネオナチリーダーや元KGB職員なども参加。町の中ではソ連時代のルーブルが通貨として使用され、出演者もスタッフも服装も当時のものを再現した衣装で生活。毎日当時の日付の新聞が届けられるという徹底ぶりで、出演者たちは演じる役柄になりきってしまい、実際に愛し合い、憎しみ合ったという。

http://www.transformer.co.jp/m/dau/intro_story/

 という前置きが壮大すぎて結果的に拍子抜けしてしまった。物語としては、ソ連時代の秘密研究都市にあるカフェ店員ナターシャがフランス人科学者と寝たことがバレてMGB(国家保安省)に連行されて拷問をちらつかされて協力者に仕立て上げられるという。全体主義の陰鬱な空気と、その中でもひとときの楽しみを見出す人生という、これ自体は面白かった。ナターシャともう一人のカフェ店員オーリャの冒頭の取っ組み合いは、そこに行きつく過程があるあるすぎて笑っちゃったし。そしてナターシャとフランス人科学者リュックによる中高年のなりゆきセックスは最高でしたね。若者にはないリアルなエロがたまらんです。最終的にナターシャは生きるために何をするのかは観てのお楽しみということで。で、冒頭の拍子抜けに戻ると、そんだけ壮大な背景ならそれ自体をドキュメンタリーとして撮ったほうが面白いんじゃないかと。外伝的なものを配信でもいいのでお願いしたい。ちなみにR18+でおちんちんが映りますがおまんまんは映りません。


18. あのこは貴族
一部のはてなーたちが大好きな「あちらの世界とこちらの世界」みたいな話を慶應の内部生と外部生で描いた作品でした。ネットのおかげであちらを覗き込むくらいは容易な時代にここまで純粋培養の上流階級がいるのかという気もするけど、私は慶応生ではないけど外部側で、その外部にもさらにあちらはあるわけで、想像もできないようなあちらはどこにでもあるんだろうなとも思う。ここまで極端な邂逅の経験はないけど、大学に入って奨学金の申請書類を一緒に書いていた友人の親の年収欄に「1000 」という数字が見えて驚いたことを覚えている。あの頃の私はまだ幼くて、自分が書いた350という数字を見られないようにさり気なく書類を遠ざけた。作品はなかなか面白かったです。まあ、いくら女性同士で生き辛さを共有できてもその友人関係は成立しないだろ的なツッコミはあるけど、ドロドロなものを見せられるより私は好きかな。私は「こちら」の男性なので、「こちら」の女性、「あちら」の男性、「あちら」の女性、それぞれの感想も聞いてみたいですね。以下、ツボだったところ。冒頭に良家の三女の門脇麦が両親と姉とおばに結婚を急かされる地獄シーンが良かった。姉1姉2どちらも末妹の心配をしているようで自分のことしか考えてない感じ最高ですね。正月で勢揃いした記念撮影で「ふくよかな」ほうの姉だけ体を斜めにするところ好き。門脇麦の友人役にびっくりするくらい声の低い女性がいたこと。友人役のひとり石橋静河もわりと低音で好きなんだけど、さらに低い人がいて驚いた。誰なんだあれは。私は低音の女性が気になってしまいます。門脇麦が後に結婚する高良健吾と初の対面時、先に座っていた高良健吾が挨拶で立ち上がる際にスーツの前を閉じて、座るときに開けたところ。庶民の私は忘れがち。大学の講義で最前列で真面目にノートをとってる人にノートを借りるところ。懐かしすぎて泣けてきた。その講義の試験でその人より上位だったのを教授が発表しやがって、以降借りづらくというか借りれなくなってしまったっけ。水原希子の魅力が爆発していたところ。40過ぎたおっさんが「女性は化粧で変わるねえ」なんて言っても気持ち悪いだけですが、化粧あり、化粧なし(風)、どちらも超絶美形かつチャーミングで、ノルウェイの森で印象に残らなかった水原希子の演技が役柄のおかげもあるとはいえ本作では素晴らしくて、また映画に出るなら観てみたいと思ってしまった。

 

ではまた3月分で。

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