年末に書いた上記の記事にブコメを付けていただいて久しぶりに自分で読んでみたら一言メモといいつつこれだけの量を一気に放出されても誰も読まねえよなという気持ちになったのでもう少し分割して出したほうがいいかなと思いました。というわけで2020年は1ヶ月分ずつ出すことにします。なお去年までは一言メモでしたがそれだとさすがに自分でもどんな内容だったか忘れそうなのでもう少し量を増やして二言三言メモに増量しています。ただ1ヶ月分でももしこれを参考に観ようと思う人がいても公開期間が終わってる可能性もあるのでやっぱり本当は見たらすぐに書いたほうがいいんだろうなあ。でも1本で1記事になるほど書けないしなあ。まあいろいろありますがとにかく始めてみよう。
1. ラスト・クリスマス
年末見逃し1本目。ワム!の「ラスト・クリスマス」をモチーフに作られた作品だとか。「クリスマスに浮かれてるチャラい映画」かと思ってたら冒頭で「ユーゴスラビア 1999年」と出てきて急に背筋が伸びたのはここだけの話。移民、LGBT、差別、全部盛りですが、基本的にコメディタッチなので重くなりすぎずに観れます。全編都合のいいファンタジーですが、私はこういうファンタジーが結構好きです。大きく笑った顔がちゃんと可愛い人って意外と少ない気がするけど、エミリア・クラークはまさにそういう感じでとてもチャーミングですね。
2. マリッジ・ストーリー
年末見逃し2本目。もしもカイロ・レンとブラック・ウィドウが夫婦だったら、みたいなやつです。嘘です。ヤマアラシのジレンマ的なやつです。こんなに愛し合っているのに、こんなに理解し合っているのに、それでも一緒にいられない。稀に見る酷い夫婦喧嘩シーン(褒めてる)はとにかく苦しくなる。個人的なツボとしてはレイ・リオッタが出演してたこと。彼を初めて観たのが「不法侵入」で、あの印象が強烈すぎてしばらくは異常者といえばレイ・リオッタくらいに思ってました。
3. 家族を想うとき
年末見逃し3本目。金融破綻、貧困、フランチャイズの闇、長時間労働、家庭崩壊、ドキュメンタリー映画ではないけどほぼドキュメンタリーでしょう。引退撤回してケン・ローチがわざわざこれを撮った意味を私たちは考えなければならない。辞める辞める詐欺なんて茶化していい話ではない。家族全員がちゃんと謝ることのできる人であることが救いになっている。この作品を観て私は憤っているし、この家族が報われない社会は間違っていると言い続ける。
4. この世界の(さらにいくつもの)片隅に
年末見逃し4本目。前作で描かれていた遊郭のリンさん絡みのエピソードを大幅に追加したそうな。リンさんだけでなく新キャラのテルちゃんもいい味が出てましたね。他にもこんなカットあったかな?という場面がちらほらあった気がするので全体的にちょこちょこ追加されてるっぽい?(私が忘れてる可能性も……)楠公飯のシーンは何度見ても笑えて大好きです。水原のちょっと嫌な感じが絶妙で余計につらくなる。またそのうち観ることでしょう。
5. ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋
おバカでお下品で不謹慎な作品が好きなおじさんなので楽しかったです。めちゃくちゃなんだけど筋が通ってるフレッド(セス・ローゲン)が物語全体にも筋を通していてブレずに観ていられますね。ポピュラーな洋楽にあまり興味がないので私はあまりわからなかったけど懐かしい洋楽が多めだったような気がする。ボーイズⅡメン、ブッシュ、フセイン、共和党支持の成金黒人、SM、顔射、ドラッグ、禁断の恋、このへんにピンとくる人もこない人もとりあえず笑えますよ。「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のフュリオサに「バックで突きながらお尻を叩いて時々首を締めて!」と言われたら男は怯むよなあ。とりあえず、ワカンダフォーエバー!←なぜ?←観ればわかる!
6. シライサン
超絶ビビりですがホラー映画は好きです。しかしこれ造形やビビらせかたはまあいいとしてもなんかいろいろ雑というか唐突な回避方法とかもっとヤバい存在みたいな感じとかまあ若手の役者たちの技量の問題なのか演出の問題なのかそもそも脚本がアレなのかもしくはそれら全部なのかとにかくなんかいまいち乗り切れがなかった感じが残りましたね。怖い話にしたいのか不思議な話にしたいのかという感じで結局どちらにも振り切れてないみたいな。見覚えある顔だなと思ったら昨年観た「地獄少女」に出てた仁村紗和だった。印象に残る顔立ちだよねえ。
7. カイジ ファイナルゲーム
これまた微妙すぎる。ゲーム性とか戦略とか心理戦が最後の10分くらいしかなくて情や運ばかりで進んでちょいちょい懐かしい顔を出しておけばおまえら満足するんだろ?みたいに作られてるのだとしたらきっついなー。いや原作未読なので再現度完璧だとしたらあっそういう作品なのか……と思うだけですが。実はこんな作戦でした!みたいな解説パートも全然ワクワクドキドキしないし。ただし1つだけ収穫がありました。例の地下労働って何やってんのか知らなかったんだけど娯楽施設を作ってたのか。
8. フォードvsフェラーリ
映画の予習の必要性はよく話題にあがるけど私は予習しない派です。この作品はそれで正解でしたね。予習していたほうが楽しめる作品があるのは確かですがその場合は2回観ればいいだけです。自動車にそれほど興味がないのであまり期待してなかったけどめちゃくちゃ面白いなこれは。カトリーナ・バルフ演じる奥さんモリーがとてもキュートでカッコいい。ノア・ジュプ演じる息子ピーターもたまらんね。この子は「ワンダー 君は太陽」のあの子か!末恐ろしい子だな!
9. ジョジョ・ラビット
ヒトラーがイマジナリーフレンドというのはなかなか斬新な気がする。冒頭からこれなのでまあファンタジーなんですけど、とはいえ描かれる時代的に現実を無視するわけにもいかず、ちょっとどっちつかずな感じもしてしまったかな。軽快な音楽や色使いやちょいちょい登場する良い奴キャラなどのおかげであまり暗くならずに観れます。お腹に蝶が舞うシーンはニヤニヤが止まりませんでした。幼い恋心とかたまらんね。ただ、イングロリアス・バスターズの冒頭のような絶望を少し期待してしまった自分もいたりして不完全燃焼感は残るかなあ。まあエルサがめちゃかわだったから良しとするか。ジョジョとヨーキーの友情も大好物です。
10. ペット・セメタリー
有名な作品ですが1989年版は未見で、原作小説も未読です。いやーこれきっついなー。禁忌を犯すただそれだけでこんなに胸糞悪くなるとは。でも親になったことがないからわからないだけなのかなあ。つーかジジイ!マジ余計なことしやがって!生き返らせる系だと「フランケンウィニー」も思い出すけどあれもモヤモヤが残った作品だったな。こういうの苦手なのかもしれん。エンドロールのスタークローラーによるラモーンズのカバーはなかなか良かったです。
11. シグナル100
たぶん苦手なやつだろうなあと思って観たらやっぱり苦手なやつでした。レーティングがR15+だそうですが、むしろ逆R15+、つまり15歳以上は耐えられない感じでしたね。漫画原作なのでまあそういう設定なんだろうなというのはわかるし全てが解明されなければいけないなんて思わないけどさすがにいろいろ雑な感じでもう少し絞り込んでもよかったのではと思ってしまいました。何より罪深いのは橋本環奈を可愛く撮れていなかったことです。これはギルティだ。ちなみに私はそっち方面の興味がないのですがBLでした。その1人がめちゃくちゃオッサン顔なのが萎えポイントでしたね。
12. エスケープ -ナチスからの逃亡-
先日観た「ジョジョ・ラビット」に続いてのナチスドイツ関連作品です。ナチスに傾倒する父が統べる家庭でユダヤ人の少女が身分を偽って共に生活する物語。一見クソに見える者たちが抱えるものそれぞれすべてがどうにもならないことばかりでとにかく苦しい。唯一の救いが家族の在り方に関わるものだった(と私は思っている)のが私は嬉しい。あの2人の未来が穏やかなものであればと願う。
ではまた2月分でお会いしましょう。