ネットに影響される人の日記

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影響されたり、観たり、聴いたり、食ったり。

1. KAAT DANCE SERIES 『星の王子さま サン=テグジュペリからの手紙』

www.kaat.jp

■演出・振付・出演
森山開次
■美術
日比野克彦
■衣裳
ひびのこづえ
■音楽
阿部海太郎
■出演
森山開次、アオイヤマダ、小㞍健太、酒井はな、島地保武、坂本美雨、浅沼圭、五十嵐結也、池田美佳、薄田真美子、川合ロン、水島晃太郎、南帆乃佳
■演奏
佐藤公哉、中村大史
■会場
KAAT 神奈川芸術劇場

 

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飛行士の「ぼく」は砂漠に不時着し1人の少年と出会う。
少年がある星からやってきた「王子」であることを知る。
王子の星は家ほどの大きさで、3つの火山と巨大なバオバブの芽と
1輪のバラの花があった。王子はバラの花を大切に世話していた。
ある日、バラの花とけんかしたことをきっかけに、
他の星の世界を見に行くために旅に出る。
そこで出会うのは

 

  1. 自分の体面を保つことに汲々とする 王様
  2. 賞賛の言葉しか耳に入らない 自惚れ屋
  3. 酒を飲む事を恥じ、それを忘れるために酒を飲む 呑み助
  4. 夜空の星の所有権を主張し、その数の勘定に日々を費やす 実業家
  5. 1分ごとにガス灯の点火や消火を行なっている 点燈夫
  6. 自分の机を離れたこともない 地理学者

 

といった、どこかへんてこな大人ばかりだった。

 

おなじみの「星の王子さま」をコンテンポラリーダンスに乗せた作品を観てきました。コンテンポラリーダンスのことがまったくわからないド素人の感想としては「Eテレ感がある」といったところでした。まあ言うほどEテレ見てないんだけど舞台上でダンサーがコミカルな動きをするたびに客席の幼児がキャッキャと楽しんでいたのであながち間違いではない気もする。というかその幼児のおかげで鑑賞する大人たちの意識がだいぶほぐれた気もする。そういう意味では公演情報に書かれている「この舞台を子どもたちのためだけではなく、かつては子どもだった大人たちに届けたいと思う。」が成功してるんじゃないかな。おそらくこの公演を観る大人は既に物語を知っていて物語自体を楽しむのはもちろんだけどそれ以上にどのように表現されるのかへの興味が強い人が多いはず。私が「星の王子さま」を読んだのはだいぶ遅くてたしか20歳くらいの頃だった気がする。サークルの名簿に一言自己紹介みたいなやつを書くんだけどある先輩が「星の王子さま」の一節を書いていてその時はそれが「星の王子さま」だとは知らずその後に読んでああそうだったのかと知ったなどということがありました。ちょっと憧れていた先輩だったのでなんか嬉しくなった思い出があります。で、その後2005年に宮崎あおい主演のミュージカル「星の王子さま」を観ています。キツネ役でROLLYが出ると知って興味を持った記憶。他にもキャストが面白かったんだよなと今ググったらこれにも森山開次が出てて驚いた。繋がるもんだねえ。

www.moon-light.ne.jp

と、思い出ばかりなんだけど実を言うと今回は正直よくわからなかったというのが本音です。Eテレ(私の時代は教育テレビ)で大人が見るとなんだかよくわからない不思議なものに子供はキャッキャしてるみたいなやつあるじゃないですか。わりとああいう感じなので少なくとも童心に帰って観るべきなのかもしれない。もちろんコンテンポラリーダンスとしての見方もあるかもしれないけど私にはそれは難しいので。というわけで私には良くも悪くも何も言えねえって感じです。ただ、個人的に好みだったのが酒井はな(バラ)と森山開次(ヘビ、地理学者、他)でした。酒井はな氏はバレエダンサーだそうで美しいステップを披露していて最近バレエを観るようになった私は釘付けでした。また、終盤の森山開次氏の動きはコンテンポラリーダンスがわからない私でも「なんかすげえことしてるぞ」感がありこちらも釘付けでした。この「よくわからんけどなんかすげえことしてるぞ」感がひとつでもあるとそのジャンルへの入口になりますよね。そしてもうひとつわかりやすく凄かったのが坂本美雨(コンスエロ)です。この人の声はズルいよね。それだけで世界を作ってしまう。生で聴けただけで僥倖です。また、舞台セットと演出がとても美しく公式サイトに写真もあるので御覧ください。公演内の音楽は2名による生演奏で効果音なども含めてとても心地良い空間となっていました。というわけでよくわからんけど凄かったという小学生並みの感想でした。

 

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