毎年恒例の多摩美術大学演劇舞踊デザイン学科の卒業制作公演を観てきました。2018年度(第二期生)公演から今回の2021年度(第五期生)までもう4回目の鑑賞となります。こうなると初回を逃したのが悔やまれる。ここまでの公演を雑にまとめると
- 2018年度(第二期生)…… エンタメ性が高い
- 2019年度(第三期生)…… 難解すぎた
- 2020年度(第四期生)…… 歌が全部持ってった
という感じ。で、今回の作品。地下空間で生活している人類。外部のエリアとの通路が崩れたため修復を進めつつ救難信号を送る。地下世界を統率する者は既に外部エリア自体が崩壊して助けなど来ないことを知っている。そこへ旧世界の遺物とみられるビデオカメラを持った「監督」がやってくる。この世界ではビデオカメラや映画を知っている者はほとんどいない。監督はこの世界を作品として残そうと他の住人たちに演技を頼む。撮影中に幻を見る監督。天文学研究所で太陽の異変を調査する者たち。このままでは地上がすべて溶けてしまうと恐れ地下への移住を目論む脱太陽思想。地下世界の現実とビデオカメラの幻を行き来する監督がこの幻が旧世界の現実だったと気づいたときには既に舞台上ではふたつの世界がオーバーラップして彼らはまだ見ぬ地上へ出ることを決断する。てな感じで、エンタメ性が高くわかりやすく面白い作品でした。パンフレットを読むと原作(原案)があるそうですが脚本演出が上手いと思う。昨年までとの違いに学生主体で民主的な制作があったとか。パンフにはそのへんかなりぶっちゃけた座談会も掲載されており「多数決はアートなのか」とかとても面白かった。そしてこの卒業制作公演は舞台セットや衣装も欠かせない。難解でnot for meな作品でもセットと衣装を見るだけで元が取れるくらい毎度見応えがあります。パンフには大道具座談会、衣装座談会もありこちらもとても面白かった。学生公演とはいえたった2500円でこれらを観れるのはお買い得すぎる。というわけでまた来年も観に行こうと思います。
パンフレット表紙
舞台美術
衣装
舞台の様子
📸舞台写真到着📸
— 多摩美 卒業公演『一億マイルの彼方から』 (@sdd_5th) 2022年1月17日
千秋楽を前に舞台写真をお届けします!
2つの世界とそれぞれの選択...
1人でも多くの方に見届けていただけますように。
いよいよ千秋楽、開演です!#一億マイルの彼方から#一奥彼方へ感想https://t.co/kXpYs0Wn1Z pic.twitter.com/hba2TMIypp
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