ネットに影響される人の日記

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影響されたり、観たり、聴いたり、食ったり。

17. serial number 07 「Secret War ― ひみつせん ―」

serialnumber.jp

村田琴江(三浦透子)はタイピストとして登沢研究所で働き始めた。そこは、戦争のための研究をする日本軍の施設であった。偽札作り、風船爆弾、一見荒唐無稽な研究者たちの研究は、人体実験を含む細菌兵器にまで及ぶ、それを人は秘密戦と呼んだ。そこで琴江は、細菌や病毒を研究する研究者、市原(坂本慶介)や桑沢(宮崎秋人)たちと儚い関わりを持つ。

46年後、中国北京に暮らす王浩燃(大谷亮介)のところに、科学ライターを名乗る津島遥子(三浦透子/2役)が訪ねてくる。遥子は、登沢研究所について調べていると名乗り、男が第二次世界大戦当時、登沢に勤めていたのではないか、と切り出す。

ふたつの時間軸は交錯しあいながら、登沢研究所でいったい何が行われていたのか、そして、その後、そこに関わっていた人たちはどうやって暮らしていったのか、そして科学と人間の相克を炙りだす。

■作・演出
詩森ろば
■出演
三浦透子、坂本慶介、宮崎秋人、松村武(カムカムミニキーナ)、北浦愛、森下亮(クロムモリブデン)、佐野功、ししどともこ(カムヰヤッセン)、大谷亮介
■会場
東京芸術劇場シアターウエス

 

第二次大戦時の登戸研究所をモデルとした作品です。といっても実は戦争モノを観たかったわけではなく映画「ドライブ・マイ・カー」でおもしろい役柄を好演していた三浦透子の違う顔を見てみたくて探したらこの作品を見つけたという感じです。結果的に三浦透子のいろんな表情を見れたので満足です。そして、いい年こいて戦争モノはちょっと苦手というか苦手ではないし興味はあるけどなんか怖くて避けがちな私ですが観てよかったと思える作品でした。登戸研究所の話をではあるんだけどタイピストの女性が主軸となります。ベストセラー「戦争は女の顔をしていない」は女性兵士の証言を元にした作品ですが、本作は軍に関わりつつもそれが何を意味するのかすら知らずに働く銃後の女性の生き方が描かれます。戦争という特殊な状況であることを除いても女性の人権が制限されていた時代に何ができたのか。男性は何を感じていたのか。それだけでなく、研究所で行われたこと、それに関わる男たちの科学者としての矜持と眼前の戦争、これらも当然描かれます。多くの証言や記録は残っていても折に触れ振り返らないといずれ忘れられてしまうのでしょう。というわけで普段は逃げている私もたまにはこうした作品に触れておきますかね。

 

natalie.mu

 

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