ネットに影響される人の日記

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影響されたり、観たり、聴いたり、食ったり。

18. パンドラの鐘

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太平洋戦争開戦前夜の長崎。
ピンカートン財団による古代遺跡の発掘作業が行われている。考古学者カナクギ教授(片岡亀蔵)の助手オズ(大鶴佐助)は、土深く埋もれていた数々の発掘物から、遠く忘れ去られていた古代王国の姿を、鮮やかによみがえらせていく。

王の葬儀が行われている古代王国。兄の狂王を幽閉し、妹ヒメ女(葵わかな)が王位を継ごうとしているのだ。従者たちは、棺桶と一緒に葬式屋も埋葬してしまおうとするが、ヒメ女はその中の一人ミズヲ(成田凌)に魅かれ、命を助ける。
ヒメ女の王国は栄え、各国からの略奪品が運び込まれている。あるとき、ミズヲは異国の都市で掘り出した巨大な鐘を、ヒメ女のもとへ持ち帰るが……。
決して覗いてはならなかった「パンドラの鐘」に記された、王国滅亡の秘密とは? そして、古代の閃光の中に浮かび上がった<未来>の行方とは……?

■作
野田秀樹
■演出
杉原邦生
■出演
成田凌葵わかな前田敦子、玉置玲央、大鶴佐助、森田真和、亀島一徳、山口航太、武居卓、内海正考、王下貴司、久保田舞、倉元奎哉、米田沙織、涌田悠、柄本時生片岡亀蔵南果歩白石加代子
■会場
シアターコクーン

 

お局様がいちばん怖いという物語でした。(違うそうじゃない)7人の王に仕えてきたヒイバア(白石加代子)が笑いも恐怖も全部持っていった。こんなん敵わんわ。そしてハンニバル(玉置玲央)、この人を失礼ながら存じ上げなかったんだけど今回のMVPでは。遠目だと金属バットの友保にしか見えないんだけど振り切れ方がハンパなくそしてなにげにめちゃくちゃ悲しい役どころ。玉置玲央、覚えておかないと。タイトルでもある「パンドラの鐘」とは他国から略奪した巨大な鐘だが、その形を初見で気づけなかった俺ダサいな。鐘の竜頭にあたる部分がなぜかでかい直方体っぽくて「なんだこれ?」と思ってたんだけど終盤に明かされる展開からファットマンであることがわかる。なぜ古代王国にファットマンがというのは、発掘調査中の戦中と王の葬儀の古代が時空を超えてオーバーラップするといえばいいのかな。このSF要素はうまく出来ていてとてもおもしろい。さらにラストシーンでは現代もとい現在ともオーバーラップして古代、戦中、現在の繋がりを否応なしに見せつけられる。どういうことかというと舞台後方の巨大な観音開きの扉(搬入口)を開けて劇場の外の街並みを背景としてしまう手法。通行人参加型作品です。←おい 演出意図は違えどこの仕組みを利用した作品は他にも観たことがあるが使い方がハマると強烈な印象を残す。物語自体はおもしろかったし役者たちも素晴らしかったんだけどひとつだけ残念だったことが。7割方の台詞が叫ぶような発声でかなり聞き取りづらかった。マジで何言ってんのかわからん。物語の流れがあるのでだいたい繋がりはするんだけど正直きつかった。本作はかつて蜷川幸雄演出版と野田秀樹演出版が上演されたそうだがそちらもそうだったんだろうか。杉原邦生の演出作品を観るのが初めてなので他の作品が気になる。

 

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natalie.mu

 

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