ネットに影響される人の日記

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影響されたり、観たり、聴いたり、食ったり。

36. 柿喰う客 新作本公演『禁猟区』

www.kaki-kuu-kyaku.com

■作・演出
中屋敷法仁
■出演
永島敬三 / 大村わたる / 牧田哲也 / 加藤ひろたか / 田中穂先 / 守谷勇人 / とよだ恭兵 / 村松洸希 / 中嶋海央 / 佐々木穂高 / 田中廉 / 山中啓伍 / 原田理央 / 長尾友里花 / 福井夏 / 淺場万矢 / 今井由希 / 北村まりこ / 齋藤明里 / 永田紗茅 / 沖育美
■会場
本多劇場

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理不尽極まる無差別殺傷事件が発生した人気商店街「ちぎり通り」!異常な地元愛を抱く繁盛店の勇者たちは禍々しい厄災に立ち向かう!劇団「柿喰う客」が年の瀬に放つ新作公演は総勢21名による狂騒劇!熱き血潮がほとばしるパニック・アクション・エンターテイメント!!

 

柿喰う客、初めて観たけど経験したことのない台詞の洪水だった。これは人を選ぶスタイルだなあ。

 

観光地の人気商店街「ちぎり通り」で何者かに父を殺害された娘の清香は謎の解明に商店街へ出店を目論むが観光客には開放的な商店街は一方で奇妙な結束感で外部の人間を拒み清香の出店を妨害する。ところが清香の熱意を汲み取り空き店舗を用意する者も現れ清香はちぎり神社の目の前に和カフェを開店する。かつて清香の父と同様に死んだ商店街の者がいたがいずれもカラダはバラバラに「千切られて」おりちぎり様の呪いと思われていた。ちぎり様とは千切り様だと。その夜も千切り様の呪いが発動し商店街の者たちの体がねじられ悲鳴をあげる中でマッサージ店の女の機転で助かる。その女はなぜ呪いの対象とならないのか。千切り様は実は「契り様」だという。契り様に願い叶えられたふたりは心身ともに永遠の契りが結ばれる。清香の父は娘である清香と永遠の契りを結ぼうとしていた。千切り様の呪いにかこつけてそうした社会悪を成敗していたのがマッサージ店の女。かつて死んだ者たちには皆後ろ暗い行為があった。

 

みたいな物語だったような。ストーリーは面白いしこれだけの大人数がいてなお個々人の色がはっきりしているのはすごい。ただ、「人を選ぶスタイル」と書いたけど私は選ばれなかったかなあ。大枠としては面白かったけど、とにかく疲れた。本当に台詞の大洪水でとんでもない量の台詞が早口で捲し立てられるので半分くらいしか聞き取れてない気がする。物語が進むにつれて文脈から補完できてきたけど冒頭の事件のあらましと商店街の紹介というこの時点ではある意味脈絡のないパートは脳が拒否ってしまった。すべて聞き取れる人は気持ちいいだろうし演者も気持ちいいと思う。台詞が届かないのはもったいないと思うんだよなあ。とはいえ年末の本多劇場連日公演ほぼ完売らしいのでこのスタイルが支持されているなら私はお呼びでなかったということかと。まあそれも経験してみなきゃわからんことなので今回観といてよかったかな。とにかく役者は素晴らしかったので柿喰う客以外の公演で見てみたいと思います。

 

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