ネットに影響される人の日記

ネットに影響される人の日記

影響されたり、観たり、聴いたり、食ったり。

8. もはやしずか

f:id:htnmiki:20220402212710j:plain

mohayashizuka.jp

康二と麻衣は長い期間の不妊に悩んでいる。やがて治療を経て子供を授かるが、出生前診断によって、生まれてくる子供が障がいを持っている可能性を示される。

康二は過去のとある経験から出産に反対するが、その事を知らない麻衣はその反対を押し切り出産を決意し…。

 

■作・演出
加藤拓也
■出演
橋本淳 / 黒木華 / 藤谷理子 / 天野はな / 上田遥 / 平原テツ / 安達祐実 / 松井周(声の出演)
■会場
シアタートラム

 

自閉症児の事故死、きょうだい児、遺族会不妊症治療と非協力的な夫、野良精子提供、出生前診断で障害の確率、デリヘル、こんなに激重な物語だとは想定外すぎて冒頭からやっちまった感を抱えてしまった。だって上の画像だけでポチっちゃったんだもん。とはいえ結果的に観てよかったです。扱うテーマが前述の通りなので個別具体的には語りづらいんだけどそれに直面した場合に自分の中にうまれる相反する感情に自分自身が押しつぶされそうになる描写は見ているだけで苦しい。夫婦(橋本淳・黒木華)の会話が終始つらい。とある事情からバックグラウンドを共有できていないため、ほぼ全ての会話が黒木華から橋本淳への詰問となっていてそれ会話じゃないよね的な。会話の成立しなさ加減でいうと夫婦(平原テツ・安達祐実)と保育士兼遺族会NPO(藤谷理子)もヤバい。善意は悪意より厄介というアレをこれでもかと見せつけられると腹の底からムカムカしてくる。まあそれだけよく出来た脚本と役者たちの演技ということですね。すごいわ。デリヘル嬢の上田遥、特徴的な声、顔、どっかで見た気がするなと観劇後にググったら2月に見た ほりぶん 第9回公演『かたとき』 の人じゃん。飛び道具的ポジションが上手いなあ。加藤拓也の作・演出は昨年観た劇団た組「ぽに」に続いて2回目となる本作、かなり毛色の異なる作品だけどいろいろ考えてそれでも結論が出ないもやもやを描くのが上手い。つまりスッキリしないので観る人を選ぶと思う。

 

natalie.mu

www.astage-ent.com

 

★今年の観劇一覧

htnmiki.hatenablog.com

 

◆第30回読売演劇大賞 中間選考会

www.yomiuri.co.jp