共同演出:大澤遊
音楽・演奏:角銅真実
会場:KAAT神奈川芸術劇場
『西遊記』に想を得た、時空を超えた冒険譚!
アジアが生んだエンターテイメント、古典中の古典として知られ、多くのドラマ、映画、アニメ、漫画の源となり親しまれてきた『西遊記』。
天竺を目指す道中で、時空を超えて神奈川県に迷い込んだ三蔵法師、孫悟空、猪八戒、沙悟浄、馬の一行が、県内各地域の伝説や昔話の世界を、西へ、あるいは北へ南へと旅する冒険譚を、長塚圭史が書き下ろし演出します。
西遊記meets神奈川、みたいな作品でした。毎度のことながら適当にチケットをポチポチしてるのでそういう作品であることを当日に知るという。しかし事前に西遊記と知っていたら観なかったかもしれないのでやはり事前情報は極力触れないのがベターですね。つまりなかなか面白い作品でした。上記の通り天竺へ向かう道中で現代の神奈川に迷い込み三蔵法師と仲間たちはバラバラにはぐれてしまい神奈川県内の各所を巡りながら仲間との再開や三蔵法師の身に起こる不幸そして目的の天竺への道に戻ることができるのかという物語の中で神奈川の地名やメジャーなスポットやマイナーなスポットなどが登場して舞台上には出てこない猪八戒はさながらグルメレポーターのごとく旨い店紹介に余念がなく神奈川由来の偉人や神々も登場するため神奈川県民に向けた作品と言っても過言ではないというかそもそもそういう作品なんですよこれは。まあ埼玉県民の私でも楽しめましたが神奈川県民ならもっと楽しめるんだろうなと。江ノ島の弁天様かわいかったなー。ちなみに終盤の軸となるのは影取池の伝説です。というわけで神奈川県民はいますぐ観に行くといいのでは。ただしいわゆる演劇っぽさ満点なのでそのへんに抵抗ない人でないと寒く感じてしまうかも。事前情報なしでもうひとつ驚いたのが音楽が角銅真実氏の生演奏生歌唱だったこと。存じ上げない方でしたがこの作品の素晴らしさの半分はこの音楽だったと思います。とても穏やかな曲の数々そして何より声。イメージとしては芦那すみれや椎名琴音の系統で少しハスキーな歌声。この柔らかな声が心地よすぎて眠くなるので要注意です。角銅真実すごい。本作はKAATカナガワ・ツアー・プロジェクト第一弾ということなので第二弾以降もあるんでしょうか。神奈川に根ざした作品が続くのかな。劇場を盛り上げるためにまずは地元からみたいな。神奈川県民にどれだけアピールできてるのかわからないけどうまくリーチしたらいいのにねえ。
1階ロビーにこんなのが。
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