ネットに影響される人の日記

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影響されたり、観たり、聴いたり、食ったり。

映画2020年12月

12月が終わります。11月分はこちらです。

htnmiki.hatenablog.com

 

感染者急増中にも関わらずなぜか在宅勤務が終わり今月から出勤再開している社会の歯車です。春から在宅勤務をしてわかったのは食費が半減するということですね。外出するとついついカフェや居酒屋に立ち寄ってしまうので。家計簿つけながら今月の食費に頭を抱えてます。はやく在宅勤務に戻りたい。というわけで12月分、行ってみましょう。

 

137. ベター・ウォッチ・アウト クリスマスの侵略者
クリスマスシーズンのホラー映画ということしか知らなかったので怖いけどちょっと笑っちゃうようなドタバタコメディホラーかと思ってた観たら超絶胸糞ファッキンホラーでした。心の準備ができてなかったのでため息が出ちゃったよ。両親が留守のクリスマスに12歳の息子とその面倒をみる17歳JK、そこに侵入者というシチュエーションから公式が「ホーム・アローン」を引き合いに出すくらいだから余裕こいてたらもうね。本編に触れると即ネタバレしそうなので胸糞作品が嫌いじゃなければとりあえず見ればいいかと。「ホーム・アローン」成分が無いとは言わないけど同じくマコーレー・カルキン主演の「危険な遊び」成分のほうが多めでしたね。とりあえずヒロインのアシュリー(オリビア・デヨング)がめちゃかわでした。


138. サイレント・トーキョー
事実上の「戦争をできる国」にしようとしている新総理に爆破テロで対話を求める犯人というお話です。そういうテーマは別に構わないんだけど、いろんなところに拙さが出ちゃっていてなかなか厳しい。ハリウッド他の海外作品との比較で言われがちな、予算がショボいから映像がショボい、という典型かも。冒頭の爆破シーンがあまりにもアレで一気に萎えて待った。最も重要な爆破シーンもマジで真面目にやってくれよと思ってしまった。金なのかなあ。金だけの問題なのかなあ。物語の流れ、繋がりもだいぶ雑だし、キャラクターが全く作り込まれていないというか、一貫性の無さというか、つらい。年齢差別はよくないけどこの脚本は高齢者が書いてるのかと思いきやまだ50そこそこの秦建日子らしくて売れっ子なのに随分と感性が古いなと感じてしまった。何度か現れる「無音で文字が表示される」シーンも寒さを倍増させていて、CG、脚本、演出、どれも厳しい。ため息出ちゃうね。


139. コンタクトAmazon Prime Video)
個別に書いたのでそちらを。


140. 魔女がいっぱい
アン・ハサウェイの美しさに酔いしれる100分でした。児童文学が原作で、魔女軍団を率いる大魔女と戦う少年一味のファンタジー作品です。とてもワクワクドキドキして楽しかったし面白かった。直近で胸糞映画が2本続いていたので久々に気持ちよく映画館を出られましたね。大魔女の魔法でネズミに変えられてしまった少年と、同様に変えられてしまった2匹、そして少年のおばあちゃんがある作戦で魔女軍団を出し抜こうとするが……てな感じで児童文学だけに王道の展開は見ていて入り込みやすいし、ある種の安心感がありました。それほど突拍子もないことは起こらないしベタといえばベタなんだけどキャラクターがそれぞれ立っていて全然飽きない。オクタヴィア・スペンサー演じるノリノリおばあちゃん最高です。こんなおばあちゃんが味方なら心強い。そして魔女軍団のファッションが最高。この作品のパンフレットはどんな感じなんだろう。魔女軍団のスタイルブックがあればめちゃくちゃ売れそう。そしてアン・ハサウェイの魔女メイク。口裂け女みたいに耳元まで裂けた大きな口なんだけど、素顔のアン・ハサウェイが目も口もでかくて人間離れ(褒めてる)した顔なのであまり違和感がないという。アン・ハサウェイ演じるこの大魔女が強いし怖いんだけどちょっと抜けていて魅力的なんだよなあ。ちなみにこの作品の監督はロバート・ゼメキスだそうです。偶然にも数日前にある記事のブコメで映画「コンタクト」に触れていて、実際に再見した直後だったので面白いこともあるもんだなと。そして製作にギレルモ・デル・トロアルフォンソ・キュアロンの名前があってびっくり。どんなメンツだよ。(すごい)


141. 天外者
明治維新周辺に特に思い入れがないのでいつもならスルーしてる作品だと思うんだけど、事情が事情というか最後の作品は観ておこうということで。かなりきつかった。素人目にもわかる安い合成映像はつらい。それが気になるとライティングまでおかしく見えてくる。とにかく画面が安い。どの役者もわざとルベル落としてるのかと思うほどの演技。時代物特有の演出もわかるけど私にはきつかった。物語としても何かを深く掘り下げることなく薄ーく伸ばした上で一気に走り抜けるのでいわゆる見どころ的なものが無いというか。バラエティ番組内の再現ドラマっぽいというか。再現ドラマが低レベルということではなくて、目的も用途も違うでしょ。そういう感じ。とりあえず森川葵筒井真理子蓮佛美沙子を見れたから良しとするか……


142. ワンダーウーマン 1984
延期が続く大作群の中でようやく公開されましたね。前作がとても好きなので期待しすぎてしまったのか若干拍子抜けという感じもありましたが、それでも十分面白いし何よりダイアナ可愛すぎ問題は健在だったので最高でした。「どんな願いでもひとつだけ叶う」に対して「どんな願いでも叶えられる魔法使いにしてくれ」という禁忌の物語です。ただし他人の願いを叶えることしかできないので、自分の願いを他人に願わせるしかないのがとてもアナログな作業でおかしみとかなしみとも言える滑稽さとなっていてとても面白い。いわゆる「猿の手」と同様にその代償がもれなくついてくるし大筋はどこかで見聞きしたことがあるストーリーだけどそこはダイアナ(ガル・ガドット)の存在感の圧力で押し切れる強さですかね。そういや伝説のゴールドクロスが言うほど強くなかったのでもうちょっと何か見せてほしかったところ。ゴールドクロスをボコボコにしたバーバラのその後も描いてほしかったかな。そしてとても違和感があったのが前作と比べて映像が安っぽく感じられたのはなぜなんだろう。そんなところまで84年仕様にしなくても。(おい)


143. ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!
89年、91年の作品から29年ぶりの続編だとか。スピードより前のキアヌ・リーブスはほとんど知らないんだよね。まあ前作、前前作未見でも十分楽しめるおバカコメディで、なんやかんやあっても音楽っていいな、って感じ。ビルとテッドのおバカコンビの娘たちがまたおバカコンビで、おバカおバカ言ってるとなんだか馬鹿にしてるようだけどそうじゃなくて、ポジティブパワーってすげえよなって素直に思えるんだよね。ビルとテッドが世界を救うために最高の音楽を作る、そのために時空を超えて最高のバンドメンバーを集める、デイブ・グロール、キッド・カディ、ジミ・ヘンドリックスルイ・アームストロングモーツァルト、リン・ルン(古代中国の笛吹?)、12,000年前のアフリカの打楽器奏者、最高のメンバーが集まったはずなのに最高の音楽ができない、鍵を握るのはビルとテッドではなかったのか……!? 終始おバカ展開が続くわけですがここからはちょっとグッときちゃったよね。どうやらこの作品はキアヌが熱望し続けていたとか。29年という時を経た作品を彼がどう見せたかったのか私にはわからないけど、この結末はそういうことだと受け止めた。くだらなくて、笑えて、グッとくる、良い作品の条件が揃った映画でした。本作とは全然関係ないけど三体っぽいモチーフがあったり、「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」っぽさがあったり、俺得ポイントもありました。


144. 新 感染半島 ファイナル・ステージ
予告編で感じていた「これはもう別物では?」という感じそのものでした。前作からの文脈では語れないので一旦忘れましょう。ゾンビが発生してたった1日で政府機能が失われた韓国。あれから4年、荒廃した韓国に残る民間人保護組織「だった」631部隊がヒャッハーの限りを尽くす中で脱走兵?として生きる母と幼い姉妹と祖父の4人、そこにお宝ゲットしに上陸する主人公チーム4人、簡単にお宝ゲットできるわけもなく敵はゾンビだけかと思ったらヒャッハー部隊に捕まるし地下闘技場みたいなところでゾンビ鬼ごっこやらされるし幼い姉妹がベイビードライバー並みのドライビングテクニックでマッドマックスフューリーロードばりのカーバトルするしゾンビにはライフルじゃなくてショットガンだろとか4年間世界から孤立したゾンビランドになぜそんなに食料や燃料があるのかとかいちいち止まってスクショタイムが始まる主人公とか威厳ゼロのソ大尉とか鼻が効くわりにそこは気付かないんだみたいな狂人ファン軍曹とかまあとにかくツッコミどころ満載ですがカーチャンのカッコよさで強引にラストまで持っていくのはいっそ清々しいと思える作品でしたね。とにかく前作は忘れて観ましょう。この作品に限らないんだけど作中に登場する「外国人」とくに英語圏の役に素人を使う問題ってなんなんですかね。日本でいうところの稲川素子事務所で暇してる人を適当に集めたみたいな感じなんだろうか。登場シーンは少なくても棒台詞は印象に残っちゃうので、ちゃんと上手い役者を使ってほしいなと。


145. 約束のネバーランド
漫画っぽいなと思ったら漫画原作でアニメ化もされている作品なんですね。北川景子はノーマルな人間役は苦手だけど漫画っぽい役だとハマる印象がありますね。本作もそういう感じだったのですんなり観ることができました。エマ(浜辺美波)、ノーマン(板垣李光人)、レイ(城桧吏)、のキーパーソン3人ですがなかなか厳しいものがありましたね。演技力格差がハンパない。エマ>>>>>>>ノーマン>>>レイ、という感じでレイが完全に悪目立ちしてしまう環境のためレイが喋るたびに吹き出すのをこらえてしまった。ノーマンとレイはスタダ所属で北川景子のバーターなのかなと勘繰ってしまうというか実際そんな感じなのかなあ。これはレイが悪いのではなくキャスティングが悪い。孤児院だと思っていたら養豚場だった、みたいな物語で豚が脱走を企てるベイブみたいな映画です。(全然違う!) この設定をベースにいかにして悪を出し抜くかという戦略ゲームなのかな。あまり複雑にしすぎても盛り上がらないのである程度簡略化されてそうで、そこは原作未読者にも優しい作りでしょうか。渡辺直美が演じるキャラはいろいろ過剰だけどこの作品内では寒くなっておらずきちんとアクセントになってたましたね。芸達者な人だ。


146. 私をくいとめて
のんと橋本愛が久しぶりに共演するという記事を少し前に読んだけどこの映画のこととは知らずに観てたら橋本愛が出てきて「これか!」と思いました。基本的に人と関わらず独りの生活で過不足のないアラサー女性が年下の男性に惹かれてしまったけど距離の詰め方がわからない問題って女性の皆さんは知らないかもだけど実は首肯しすぎて首もげる男性もかなりいると思われます。みつ子(のん)は脳内相談役Aと日常的に会話しておりはたから見たら頭おかしいんだけど自分の中で役割をわけてうまく行ってるならむしろメンタルが安定してると言えるんじゃないだろうか。みつ子(のん)と皐月(橋本愛)が一瞬ピリピリするシーンが最高でした。あれができる関係はガチですわ。「蜜蜂と遠雷」で抑え気味の、しかし印象に残る役を演じた臼田あさ美がみつ子(のん)の先輩役をコミカルに好演。コントやってる人は強いな。のんのコロコロ変わる表情は誇張ではなく別人に見えることがあって本当に面白い。後悔にもいろんな種類があるけど「自分の正義を行使できなかった/しなかった後悔」って一生引きずりそうですね。そういやこれ書きながらググってたら「勝手にふるえてろ」チームの作品なんですね。さすがだ。そしてエンドロール見てたら「竹内力」「RIKIプロジェクト」と強そうな名前が。ウィキペディア先生によるといろんな作品に関わっていておもしろい。

 

ではまた1月分で。

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