ネットに影響される人の日記

ネットに影響される人の日記

影響されたり、観たり、聴いたり、食ったり。

映画2020年9月

9月が終わります。8月分はこちらです。

htnmiki.hatenablog.com

 

9月に入って珍しく仕事が少し忙しくなって、そういう状況だとプライベートが急降下しがちなんですけど自分を騙しながらなんとかやり切った感じですかね。まあまだ続くんだけど。というわけで映画を観る気力が半減中ですが気になる作品の公開がそれほど多くなかったのでタイミング的にはちょうどよかったかも。というわけで9月分、行ってみましょう。

 

104. オフィシャル・シークレット
イラク戦争の背景にあるアメリカによる違法工作をイギリス諜報機関GCHQ職員が告発した事件をもとにした作品です。恥ずかしながら私がそれなりに社会に興味を持ち始めたのがここ10年程度なので2003年のこの事件を知りませんでした。世界のことを知れば知るほどうんざりして無力感だけが膨らんでいくのはどうしたらいいんですかね。だからといって知らないままではいられないしさあ。諜報機関なんて場所にも案外普通の人や様々な問題を抱えた人が勤めているのは面白いし、主人公が自身の正義の陰にある夫(移民)の危機感に無頓着なところとか観てるこっちがキリキリする。また、公務員や官僚が仕えるのは政府か?国民か?という問題は現在の日本でも問われ続けているわけで、正義の行使は本当に難しいなと。当時この工作を画策したアメリカ陣営がブッシュ、パウエル、ラムズフェルド、ライス、こんなメンツに囲まれたくねえなあ。笑 主演のキーラ・ナイトレイは相変わらずの超絶美形でたまらんですね。


105. 事故物件 怖い間取り
主演はもちろん亀梨くんなんだろうけど実質ダブル主演みたいな奈緒という女性が可愛かったなー。この人は初めて見たけどウィキペディア先生によると朝ドラに出てたんですね。今後の要チェックリストに入れておきました。で、亀梨くんはメイクとか髪型とか表情とかのせいなんだろうけどマジでしばらく誰なのかわからなかった。まあ彼だってもうおっさんだもんねえ。野ブタが懐かしい。というわけでこの作品はいわゆる事故物件、人が死んだ物件に「出る」というアレを実際に住みながら体当たり取材する芸人の話でまあよくある感じで特に注目ポイントとか無いかなと思ってたんだけど、事故物件の紹介に協力的な江口のりこ演じる不動産屋が主演を食ってしまいましたね。また、終盤に最強のアレと直接対決になる場面では映画「来る」を思い出したりもしましたが、本作ではアレの造形を直接見せてしまうぶん逆にショボくなってしまい見る人によってはコメディタッチにうつってしまうかもしれません。

106. 千年女優

www.itmedia.co.jp

この記事でそういえば観てない作品だなということで観てみようと思ったけど配信されていなくて諦めていたらキネマ旬報シアターで上映するという情報がツイッターで流れてきたので千葉県柏市まで行ってきました。物語は、大女優の晩年のインタビューから虚実入り乱れた一大叙事詩的な感じでしょうか。全然違うんだけどクラウドアトラスっぽさも感じたり。各パートがそれぞれちゃんと面白いんだけど虚実入り乱れと書いたように物語の進行として時空をポンポンと超越するSFみとそこに被るピコピコ音楽(←おい)がもはや何を見てるのかよくわからなくなる感じでなかなか面白い体験でしたね。途中で「これ、君の名はじゃん」とか「あ、インターステラーじゃん」とか思いながら見てた。公開当時の空気感とか気になりますね。面白いんだけど、結構戸惑った人いるんじゃないだろうか。いまさらだけどこれ主役は社長ってことでいいのかな。といわけで次は「パーフェクト・ブルー」がどこかで上映されたら観にいこうかな。


107. mid90s ミッドナインティーズ
A24制作配給、ジョナ・ヒル初監督作品、私のようなにわか映画ファンの「とりあえず観といたほうがよさそうアンテナ」がバリ3になるわけでして、結果、観てよかったです。スケボー以外に救いのない世界でもがきながらもほんの少しずつ前に進んでいく少年たちの物語、といえば聞こえはいいけどそれぞれが抱える問題、差別、貧困、暴力、孤独、これらがあまりに大きすぎて、フィクション作品を観ているただの客にすぎない私ですら「せめてこの子たちのスケボーだけは守ってやりたい」と願わずにはいられなかった。後から仲間に加わった主人公スティーヴィーが皆に気に入られていく様子に嫉妬せざるを得ないルーベン、プロスケーターに認められているレイに嫉妬せざるを得ないファックシット、この2組の対比もおもしろい。フォースグレードはちょっとのんびりしているけど、だからこそ年下のスティーヴィーに寄り添える関係。終盤、「悪い仲間たち」と引き離そうとした母を激しく罵倒して飛び出したスティーヴィーを静かにむかえてくれたレイが、ただ慰めるのではなく社会の厳しさを教えたおかげでスティーヴィーは大人の階段を10段くらい一気に飛び越えたんじゃないだろうか。願わくばスティーヴィーの兄イアンと母ダフニーをもう少し掘り下げてほしかったかな。ただ、母ダフニーと「悪い仲間たち」の関係にほんの少し変化が見られたシーンはおじさんウルっときてしまった。イアン役のルーカス・ヘッジズはもはや名作に欠かせない役者ですね。また、主役スティーヴィーのサニー・スリッチくん、クッソかわいいし売れちゃうんだろうなあ。ノア・ジュプくんを初めて見たときのような感覚だ。映画タイトルに90sとあるように90年代の音楽がたくさん使われていて、ニルヴァーナピクシーズとか懐かしかったですね。かなり印象的なシーンで使われていた気持ち悪い歌い方(褒めてる)の曲はおそらくモリッシーなんじゃないかな。たまらんですね。


108. ファナティック ハリウッドの狂愛者
ハリウッドの人気俳優ハンター・ダンバーが好きすぎて狂っていくストーカーをジョン・トラボルタが演じています。これなあ、いろんな意味で厳しい気がする作品ですね。スリラー、ホラーとしてなかなか面白くはあるものの、(私は専門家ではないので安易な言及は不適切だと理解した上で)主人公ムースは冒頭から明らかに障害を抱えている者として描かれており、こうした障害と犯罪行為を関連付けてしまう人がそれなりに発生してしまう懸念が拭えません。トラボルタ自身も製作に関わっていますがどういう意図でこれを描いたのかがわからないので、はてブ的に言うと「不安になる」作品です。


109. 行き止まりの世界に生まれて
かつて重工業や製造業で繁栄して今はラストベルトと呼ばれる地域のイリノイ州ロックフォードで生まれ育ったスケーター仲間3人のドキュメンタリー作品です。前日に観た「mid90s ミッドナインティーズ」のデジャヴかと思うほどそっくりな作品で驚きました。しかもこちらはドキュメンタリーときたもんだ。少年時代に父親が保守系へ傾倒して規律と暴力で締め付けられたザック、日常的に家庭内暴力が存在たキアー、継父に殴られ続けたビン、これらの暴力が彼らを苦しめ続けます。白人のザックは父がおそらくトランプ支持のホワイトトラッシュ(この呼び方ほんと酷いな)、黒人のキアーは日常的に差別に晒され、アジア系のビンはどちらにも属せないからこその被差別感、これらをあえて表には出さないけれど無視はできない。個人的にはビンが義父に殴られ続けてきたことを見て見ぬ振りしてたのではと母に迫るシーンが言葉になりませんでした。少年時代からカメラを回し続けていたビンだから取れる距離感と、それぞれが持つ魅力で、「素人」しか出演していないとは思えない作品に仕上がっていて、本職の役者には難しいだろうなと。先日観た「ようこそ映画音響の世界へ」ではリアルな音が映画では必ずしもリアルだとは限らないみたいなことがありましたが、本作はリアル(本人)だからこその凄みや痛みが丸見えで強烈でした。10年後の彼らも見てみたいですね。


110. 喜劇 愛妻物語
いやー、きつい。コメディとして作ってるんだろうけど、とにかくイライラ・ムカムカが止まらない映画だった。仕事がうまくいかず家庭内での立場がない夫がセックスレスの妻に対してあの手この手でセックスしようと画策する映画です。ほぼそれだけです。夫がこの状況を増田に書いたら確実に炎上するわ。稼げない夫をパートの妻が支えるのは別に構わないんだけど内弁慶で家庭では調子に乗るタイプが私は本当に苦手で。ダメならダメなりの言動があると思うんだよねえ。別に卑下すりゃいいってことでもなくてさ。だって子供がいるんだぜ。経済的な不安や先の見えない生活に疲弊してる妻の前でヘラヘラしてる夫が本当にきつい。こういう人への嫌悪感は私の子供の頃の記憶が強く影響しているのかもしれない。まあとにかくクソっぷりがハンパない夫を演じている濱田岳がすごいわ。完全にクズだった。そしてひたすら怒りをぶつける妻を演じる水川あさみもすごい。終始やさぐれている中でたまに見せる笑顔がやっぱりめちゃくちゃ美形なんだよなあ。私の大好きな夏帆がちょい役で出てたのでそこだけは最高でしたね。


111. カウントダウン
感想を書き忘れてたらだいぶ忘れてしまった。パーティー中に誰かが「死ぬまでの残り時間がカウントダウンされるアプリがあるらしい」と言うのでみんなで入れてみたらほとんどの人はあと60年とか出たんだけどひとりだけあと3時間みたいになってベロベロに酔った彼氏が車で送ろうとするので「あ、これ死ぬやつだ」とビビって車を降りて無事帰宅したのに結局謎の死を遂げる、という冒頭から始まる物語です。アプリが削除できなくてスマホ屋の店員にハッキングしてもらったり、チャラい聖職者が昔の文献を参考に塩で魔法陣を描いて戦ったり、まあ要するに敵は悪魔なんですけど、悪魔もアップルにリジェクトされてるのかと思うとジワジワきますね。これ実写映画じゃなくて1クールのアニメで作ったらどうかなー。


112. TENET テネット
何を書いてもネタバレになりそうなので未見でネタバレされたくない人はこれを含め何も見聞きしないほうがいいと思います。結論から言うと「もしもクリストファー・ノーラン細田守時をかける少女を撮ったら」みたいな感じです。まあ冗談ですけど実際に以下のようなやり取りがあります。(盛ってます)

ニール(バディ)「未来で待ってる」
"主役"「すぐ行く、走って行く!」

2回観たんですが1回目は途中で考えるのをやめたくらいワケワカメでした。1回目でわかったのは、冒頭のつかみが最高、時間がハウってるw、バディ物最高、わざわざジャンボ使わなくても……、「時をかける少女」、「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」、仕組みが理解できない、こんな感じでした。とにかく情報量が多くて2時間半もあっという間だったんですが、肝心の時間の逆行の仕組みがいまいちちゃんと理解できなくて最後まで引っかかってしまいました。まあそれでも物語としては追えるのでいいんですけど。で、最後に上記の盛ったやり取りがあるわけです。で、2回目、作品内での"主役"はジョン・デヴィッド・ワシントンが演じていますが、ロバート・パティンソンが演じるニールが真の主役であることに気づいてしまったので、ニールの行動すべてに泣けてくる。

"主役"「仕事が終わったら殺される」
ニール「君に?」
"主役"「俺次第だ」
ニール「ならいいかな」

なにこれ告ってんの!? 1回目はあまりの情報量に見落としがちだったけどニールの"主役"に対する表情がいちいち優しさに溢れてることに気づくわけですよ。どれだけのものを背負ってニールはここにいるのかと。ニールのすべてが尊い。ちゅき……。なんて書いてますが安易なBL視はやめてくださいね。そういうのじゃないから! 他にも1回目に薄々気づいてたけど敵のセイターがめっちゃ中二病とかね。"主役"に対して「喉を切って穴を開けて玉を抜いてその玉を喉の穴に詰めてやる」とか自分を虎になぞらえて「虎は手懐けられない」とか妻にむかって「もし俺のものでないなら、誰のものにもさせない」とか自分が病気で死ぬから全人類を道連れにするとか、改めて聞くと爆笑ポイントなんですが1回目は突っこむ余裕がありませんでした。「イナーーーーフ! ( ゚д゚)、ペッ」はクソワロタ。ちょっとわからなかったのが、キャットがセイターの自殺を引き延ばし作戦中にセイターが部下への電話で「息子を戻せ」と言ったときにセイターが「おや?」みたいな顔をしたので電話相手の部下が「奥さんはどうします?」みたいに言っていま目の前にいるキャットが罠だと気づいたのかと思ったけど、その後キャットが傷跡を見せたときにカッとなっていたのでやっぱり気づいてなかったのか? みたいな。あとはキャット役のエリザベス・デビッキ様のハラハラドキドキ救出シーンの太ももありがとうございます。エリザベス・デビッキ様の出演作は「華麗なるギャツビー」、「コードネーム U.N.C.L.E.」、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」くらいしか観ていませんがいずれの作品でも強烈な印象を残してますね。ヒールを履いて2メートルから見おろされたい、いや、見くだされたい。まあ途中から彼女いらないんじゃねとは思っちゃったけど。というわけで、好きか嫌いかで言うと好きだし、面白いか面白くないかで言うととても面白いんだけど、2回観ても結局逆行の仕組みとか順行と逆行の接触時がよくわからなくて、過去へ乗り込むときは逆行になるけど、逆行の逆行は順行になって装備不要なの?とか。あとニール子孫説とかもあったりするんだろうか。しばらくして考察班による解説が出尽くした頃に漁ってみようと思います。あ、あとあのヨットに乗ってみたい。なんで浮くの?


113. 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン
背負わされているものが重すぎて観るつもりが無かったんだけどその日の予定を少しミスって空いた時間を埋めるために観てしまいました。テレビシリーズもその他情報も知らず、タイトルから英国式庭園の庭師の話だと本気で思っていました。本作は代筆屋のヴァイオレットと、今は生死不明の恩人ギルベルトに関わる人間模様です。つーか本作を観る人は基本的にテレビシリーズ観てるからそういうのはいいか。もうね、子供ネタはずるい。ずるいけど好き。私も子供の頃にちょっと病気にかかっていたのでわかるというか、そういう子って諦観というと大袈裟だけど、どこか諦めからくる大人っぽさというか、子供らしさを無くした感じというか、そういうのが本当に胸に刺さる。なんやかんやあって大団円ではあるんだけど、創作であってもつらいものはつらいっす。で、公開翌日の土曜朝イチ回ということで本編終了後に舞台挨拶の中継がありました。(声優:石川由依浪川大輔、主題歌:TRUE、監督:石立太一) 舞台挨拶の内容はこのへんの記事を読んでもらえばいいんだけど、とにかくあまりにも重すぎるものを背負った監督の言葉に、監督自身も他3人もいろいろと溢れてしまって、改めて事の重大さを思い返す時間となってしまいました。もちろんそれはネガティブなものではなく、公開にこぎつけたことの報告として素晴らしいものだったと思います。関係者もお客さんもそれぞれの想いで観ればいいと思います。ベタだけど「大切な人にちゃんと伝える」というメッセージがいろんな意味で刻まれた作品かと。ひとつだけ突っ込んでおくと、あの角度の屋根に座ったら落ちるし、なんなら座る前に落ちるよね。


114. Daughters
おしゃれ映画ですね。別に茶化してるわけじゃなくておしゃれ映画をおしゃれ映画として作っておしゃれ映画になってるんだから成功なんじゃないかと。知らんけど。物語自体を楽しめたかというと、ダメじゃないけどいまいち乗り切れなかったかなという感じ。ルームシェアする2人の女性のうち1人が身ごもってふたりともこれからどうしましょうかという話です。作品全体に溢れるおしゃれ感は私がもう少し若い頃だと鼻につく感じだった気がするけど、もはやそんなことが気にならない程度に年取ったので、そういうものとしておしゃれ自体を楽しめました。「ダンス・ウィズ・ミー」で一皮むけた三吉彩花も艶っぽさが増して素晴らしい。シングルマザーが特別なこととして描かれていないのも、下手に希望を持たせたファンタジーにしないのも、よかったと思います。ただ、現実のシングルマザーたちがこの映画を観てどう感じるかはなんとも……。ところでおしゃれインテリアの定番である間接照明で夜を過ごす人ってどれくらいいるんだろう。あと、沖縄はすべてを解決してくれるみたいな沖縄信仰みたいなのがちょっと雑かなー。はてな界隈的なネタとしてはクレジットに「Naoya Ito」と出てきてびっくりしました。キャスティング担当の伊藤尚弥さんだそうです。


115. ハースメル
自分の忍耐強さに感心した作品でした。本編が始まるまでに1時間半かかるのは想定外だよー。よく我慢した、俺。もちろんその部分が前振りではありますが。成功したパンクロッカーがドラッグと霊媒師に溺れて誰も信じることができず荒れて落ちてすべて失ってから再生する、まあよくある話なんだろうけど、この荒れ方がとにかく見ていられないほど酷くて、しかもBGMなしで(雑音的な通奏音はある)ドキュメンタリータッチなので余計にきついので本当に途中で映画館を出ようかと思ったほど。スタジオに来た新人バンドに絡む場面とかTHE老害って感じで鳥肌モンですわ。そんな主人公ベッキーを止められなかった理由のひとつがベッキーしか曲を書けなかったというのもバンド界隈あるあるすぎてきつい。長年続くバンドってすごいですね。すべて失い今は離れて暮らす娘と久々に会い、何か歌ってと請われてベッキーがピアノ弾き語りをしたのがブライアン・アダムスのHeaven。

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いやもうこれ聴けただけでこの作品を観てよかったと思える。で、なんやかんやあって復活のステージに立って皆に再び迎え入れてもらえるわけだけど決して再生ではなくケジメをつけただけだったというね。新人バンド役のカーラ・デルヴィーニュが中性的かつ登場するたびにファッション、メイク、ヘアスタイルが変わって楽しかった。主演のエリザベス・モスは日本公開順では、アス>透明人間>ハースメル、だけど制作順は、ハースメル>アス>透明人間、で本作がいちばん早いんですね。アス、透明人間で話題になったから直前の作品を公開しとけみたいな感じなのかね。ウキペデア先生によると興行収入がたったの26万ドルで二度見してしまったけど概ね好評のようです。あと、本作はおそらく90年代パンクロックシーンがイメージされてる気がして、なんとなくこんな曲たちを思い出したりしました。どちらも学生時代にコピーした思い出。

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116. 映像研には手を出すな!
漫画やアニメが話題になっていたのは知っていてアニメは1話だけ見たというレベルです。既に映像研はできていて幾度となくトラブルを起こしてきた映像研の歴史を振り返りながら生徒会が強行する部活の統廃合・廃部の危機を乗り越えるミッションらしい。元ネタがあるのか映画オリジナルなのかわからんけどなかなか面白かったです。ロボ研メンバーたちの人型ロボを愛好する者にそびえ立つ壁の話はよかった。リアルとファンタジーのせめぎあいみたいなやつは嫌いじゃないです。また、8月に「ようこそ映画音響の世界へ」を観てから音に意識が向かうようになったので音響部が絡んできたのは嬉しかったですね。ただ、もっとこだわりを掘り下げてほしかった気もするけどあくまで映像研の話だし尺も足りないのでしかたないか。漫画やアニメの実写化は「実写ならでは」が出せるといいんだろうけど元ネタ自体が空想バリバリの世界観の場合はなかなか難しいのかもしれない。


117. ミッドナイトスワン

anond.hatelabo.jp

私の中で草彅剛の演技は当たり外れが大きいのでわりと避けがちというか本作もスルーの予定でしたが上記増田に影響されて観てしまいました。少し前に「10年妊活頑張ってダメで養子縁組を決めた」みたいな話がバズっていたときにもブコメで様々な家族観が見られたけど、私は本作をそういう話だと受け取りました。性的マイノリティや、親に虐待されて居場所のない子供、彼ら自身の生き辛さはもちろん大きなテーマではあるんだけど、辛いときの拠り所、ただ受け止めてくれる関係、そういうのって法的にどうあれもはや家族だなと。もちろんそれは友達でも恋人でもただの知人レベルでもネットの向こう側の人でもアリだと。世間的にはまだまだ色眼鏡で見られがちな母?娘?が絆を深めていく一方で、順風満帆に見える家庭の破綻という対比は、ありがちだけど子役ふたりの好演で物凄く残酷に仕上がっていて、毎度思うけどこんな子役どこで見つけてくるんだと感心してしまう。エンドロールでコスチュームデザイン「細見佳代」を見つけてももクロを思い出すなど。(←蒸し返すなよと)また、先日観た「Daughters」の感想にも書いた「Naoya Ito」氏が今作でもキャスティング担当でした。有名な人なんですね。

 

なんか急に寒くなってきて、とはいえコート着るほどでもなくて、夏!冬!以外の着るものに困るタイプです。テレワークが続いていたり、外出するときはマスクしてたりで風邪を引くことはほとんど無くなったけど、寒くなるとお腹を壊しやすくなるので気をつけたいですね。10月は仕事が落ち着くといいな。あと10月には久々に観劇の予定があるので楽しみですね。どこまで社会を戻していいのかわかりませんが、対策を取りながらできることの範囲を広げていけたらと思います。

 

ではまた10月分で。

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