ネットに影響される人の日記

ネットに影響される人の日記

影響されたり、観たり、聴いたり、食ったり。

映画2020年3月

3月が終わります。2月分はこちらです。

htnmiki.hatenablog.com


新型コロナの件が先月よりも深刻になってきたようで公開延期となる作品が続出するだけでなく今週末は強めの自粛要請により東京・埼玉・千葉・神奈川あたりの映画館が軒並み営業中止となったり映画界隈の特に新作はどうにもならない状況ですね。アマゾンプライムビデオも観れるんですが映画も読書も自宅だと捗らないタイプなのでなかなか難しくて。終息が見えずしばらくはさらに厳しい状況になりそうなのでどうしましょうかね。まあとにかく無理のない範囲でうまくストレス解消していきましょう。そんな感じで3月はあと3日残っていますがもう新作は観れそうにないので3月分行ってみましょう。

 

30. スケアリーストーリーズ 怖い本
相変わらずのコロナ騒動でキャパ数百の劇場に客数人というこれ自体がホラー映画の1シーンのような状況になってきましたがマスク手洗いアルコール消毒で乗り切りながら観てきました。なにこれめっちゃおもろい。ジュブナイルって言うんですかね、少年少女たちが主人公の映画がそもそも好きなんですよ。んで、だいたい彼らは世間的にイケてないタイプで今回のヒロインはホラーオタクのそばかす少女。ベタだなー。100点!今作の時代設定が1968年でドライブインシアターで「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」の上映中に「ある出会い」があり……みたいな話でそこにハロウィンや呪いが絡んでそこに時期的なニクソンベトナム戦争、兵役逃れなども絡み……みたいなとにかく時代性てんこ盛りなわりにとっちらかってないのでブレずにホラー映画として楽しめた。肝心の呪いはまあよくある「うん、わかる、わかるんだけど呪う相手を間違えてますよ」的なやつなんだけど呪いモノはだいたいそうなのでそこはスルーで。最初のカカシのハロルドがいちばん好きかも。あの時点で「つながってる」感がわかるというか。そして何よりジャングリーマンの造形ね。バッキバキで最高です。あと個人的な好みとして時空を超える演出が好きです。


31. チャーリーズ・エンジェル
私は映画を観る際になるべく前知識を入れずに観るタイプですがツイッターでフォローしている映画クラスタ数名が軒並み絶賛していてさすがに気になってしまい実は前シリーズ?のドリュー・バリモアキャメロン・ディアスルーシー・リューのやつは知ってるけど観てはいなかったくらいのにわかなんですが結果的にめちゃくちゃ面白くて最高でした。まず冒頭のサビーナ(クリステン・スチュワート)に撃ち抜かれたよね。超カッコイイ。そして人間離れしたスタイルのジェーン(エラ・バリンスカ)何食ったらそうなるんだよ。超カッコイイ。そしてエレーナ(ナオミ・スコット)どっかで見たことあると思ったら去年の「アラジン」のジャスミンか。超カワイイ。サビーナとジェーンのツンデレコンビなんなのもう。尊い。この3人が活躍するだけで十分です。アイドル映画だ?言わせとけ!ただ実際ヌルいミッションだなあみたいな部分はあるしちょっと思想が振り切れ過ぎかなと思う部分もあるんだけど逆に言えば今だからようやく作れた作品なのかもしれないしまあそのへんは批評家たちに任せて私は目の前の映像が楽しいかどうかで判断するだけです。で、めっちゃ楽しい作品でした。


32. 初恋
ヤクザ、仁義、そういうのが好きな人にオススメの作品です!三池崇史ほど高低差が激しい人もなかなかいないけど高いやつ来ましたね。多少グロいところもあるのでそういうのが苦手でなければ是非どうぞ。あ、ベッキー新境地です。最高です。小西桜子って初めて見たんだけどこの役2〜3年前なら佐津川愛美がやってそうだなとか思いました。で、映画自体おもしろいからいいんだけどそれとは別に個人的にツボる部分がいくつかあったのでそのへんを。1つ目、冒頭の藤岡麻美。元チェキッ娘で派生バンドchee'sのドラムで解散後にblue chee'sで復活するもメンバーの新井利佳が夫について台湾に移住したらしばらくしてなぜか藤岡麻美も台湾に行きいつの間にかあちらで芸能活動を始めてそれなりに活躍しており後に判明する「兄はディーン・フジオカ」という何なんだこの兄妹はというちょっとおもしろ人生の人なんです。なぜこんなことを知っているかというとchee'sの「ガラガラゲッチュ」という曲が大好きなんですよ。

www.youtube.com

当時この曲を生で聴きたくてライブに行こうとしたらちょうどソウル・フラワー・ユニオンのライブとかぶっていて馬鹿な私は「chee'sはまた今度」とか思ってソウル・フラワー・ユニオンのライブに行ってしまった。こっちのライブは何度も見たことあるのに。で、chee'sに次は無かったのです。何やってんだか。でね、この曲を初めて聞いた瞬間に「これゴーバンズっぽくね?」と思って調べたら作詞作曲が森若香織で「俺のゴーバンズ愛も捨てたもんじゃないな」なんて思ったもんですよ。あ、私はゴーバンズ大好きなので。諸事情あって3人での復活は叶わないけど森若香織が「ひとりゴーバンズ」として復活する際のイベント抽選に申し込んだら当選しちゃって握手までしてしまいました。にわかドルオタやってる私が後にも先にも握手会に参加したのは森若香織ただひとりです。脱線しすぎた。藤岡麻美です。冒頭だけでなく全編にわたって本場仕込の中国語で大活躍していてなんだか妙な感慨に浸ってしまったというお話です。で、2つ目、これまた序盤に出ていた矢島舞美。引きのシーンで顔はよくわからなかったんだけどシルエットと声と喋り方で「これ矢島舞美じゃね?」と思ったらエンドロールでドン!と出てきて「俺のにわかハロヲタっぷりも板についてきたな」とか思ってしまいました。℃-ute解散後は舞台に出ているとは知ってたけどこうしたメジャーな映画に出られるなんてアップフロントもやるじゃないかと。もちろん本人の努力もあるだろうけど。真野恵里菜に続いてハロプロから役者への道ができるといいなと。田中れいな須藤茉麻も他にも頑張ってる人はたくさんいるけどね。で、3つ目、歌舞伎町の神座。15年くらい前かなあ、当時の仕事の取引先が新宿で単身赴任で大阪から来ていたわりと若いマネージャーにキャバクラに連れて行かれてその流れでよく行ってたのが歌舞伎町の神座でした。「別に特別美味いってわけじゃないんだけどしばらく食わないと禁断症状が出る。あのスープにはシャブが入ってる。」といつも言ってました。まだ潰れてないのでたぶん入ってないです。というわけで映画の感想よりも自分語りが長くなってしまったので反省します。


33. ジュディ 虹の彼方に
「歌はいいね。歌は心を潤してくれる。リリンの生み出した文化の極みだよ。」うん、そう思う。ということで歌最高だし歌いたくなるなあ。何より合唱があるとは知らなかったのでつい泣いてしまった。合唱に弱いおじさんです。子供を薬漬けにするハリウッドやべーな。完全に児童虐待映画でした。様々な物語が描かれるけれど結局そこに戻ってしまう。たった47年の人生のうち本当に自分らしく生きられた時間はどれくらいだったのか。この作品のあとに「オズの魔法使い」を観ようかと思ってたんだけど背景を知った上でどう見たらいいのかという感じてまだ観れていない。先に観とけばよかったなー。ロザリン役のジェシー・バックリーめちゃかわだなーどっかで見たことあるようなと思ったけどわりと新しい役者なんですね。


34. ミッドサマー ディレクターズカット版
2月に観た「26. ミッドサマー」のディレクターズカット版が公開されるというので観てきました。不快感ちょい増し、感情の説明的なシーン追加、といった感じでしたね。わかりやすくはなってるんだろうけど個人的には蛇足感があるというかノーマル版の編集は正解だったなと思いました。そして前回観たときに感じた不快感の半分がダニーに対するものだったとはっきり認識できました。同情できる部分がどれだけあってもありゃ無理だわ。責める・謝罪要求→謝罪→謝ってほしいわけじゃない・責めてない・会話したい、これやられるとこっちのメンタルが壊れるよね。最後の笑顔が爽快感と不快感が入り混じって感情がぐちゃぐちゃになる。そういえば終盤にクリスチャンが不安?恐怖?突然モジモジし始めるあれは何だったんだろう。


35. 三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実
全共闘1000人が集まる駒場に単身乗り込み学生たちと討論が行われた記録映像をベースにその後の彼らへのインタビューからなる作品です。率直な感想としてはめちゃくちゃ面白かった。三島由紀夫の人となりを知らなかったしこの作品も彼の一部でしかないんだろうけどはっきり言って魅了されてしまった。佇まいや喋り方、インタビューで内田樹も指摘していたが全共闘を貶さない、馬鹿にしない、揚げ足を取らない、相手が学生だからなのか誰に対してもそうなのかわからないが「まともに対話してくれる大人」としての魅力は一部の学生たちも感じていただろうし中には懐柔された者もいたのではないかと思わせるくらいの魅力とカリスマ性に満ちていた。だからといって私が右翼思想に傾倒するわけではないけれど。一方、全共闘側のカリスマ芥正彦は今で言うところの公開処刑状態に私には見えてしまった。もちろん弁が立つし魅力やカリスマ性はあるが論拠が雑というか特に「空間」と「事物」のトピックに対し三島が問うた「関係」や「時間」への認識が弱すぎたように思える。現在の芥とそれ以外の対比も面白い。戦争に負けて生き残ってしまった三島と、学生運動を制圧されて生き残ってしまった全共闘は、わりと近い感覚を持っているのではないかと思ってしまったが、彼らがそう思っているかどうかはわからない。


36. ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY
前作「スーサイド・スクワッド」が私には合わなかったというか苦手ではないけど好きでもないという感じでしたが今回はわりと楽しめました。大衆(私)にウケやすい子供ネタと女性の活躍が描かれたことが大きいとは思うけどそれだけではなくDC作品に漂いがちな「派手だけどなんか暗い」空気が前作ほど感じられなかった気がするからかな。前作を観たときにこれはジャスティスリーグ系列とは別の作品なのかなと思ってたけど今回のキャナリーのアレとか観るとスーパーヒーロー・スーパーヒロインの系譜っぽいのでやはりジャスティスリーグに合流するんだろうか。アメコミ事情に明るくないのでとりあえず出てきたものをそのまま楽しむことにします。いやでもキャナリーのアレは爆笑でしたよ!ちなみに「声のキャナリー」と「クロスボウのハントレス」のコンビめちゃ萌えです。


37. 人間の時間
極限状態に追い込まれた人間を描いてるのはわかるんだけどそこに至る過程がかなり雑に見えてしまい渾身のギャグがスベり続けている芸人の舞台を見ているような「これはどうしたもんか……」という気持ちを2時間味わいました。もしかして漫画原作なのかな?漫画なら面白くなるかもな?と思いましたがこれキム・ギドク監督のオリジナル脚本ぽいんですよね。うーん、わからん。わからなすぎて普段はあまり読まないインタビューとか読んでみたんですけど

プラスがあればマイナスがある。夜があれば昼がある。男があれば女がある。それらの「対極」という性質によって結び付けられる事象もまた、ある一つのエネルギーの行き来によって成り立っているのではないか。そして、そういったエネルギーの絶え間なく繰り返される移動が、繰り返される時間という現象を生み出しているのではないかと感じたのです。

ってやっぱりわからないし男と女を「対極」に位置づける感覚も今どきどうなのよという感じだしまあ私には合わない作品だったということですかね。観たあとに評判をツイッターで検索していたらチャン・グンソクのファンを「うなぎ」と呼ぶことがわかりこれが唯一の収穫となりました。


38. 一度死んでみた
またしてもギャグがスベリ倒しているような映画を観てしまいました。うーん、さすがにきついなー。私はチョロい人間なので泣かせようとしてるところはしっかりウルウルするんですけどそれ以外がもう本当にどうにもならないというか。そして結構な有名どころをカメオ出演させて笑わせたいのか知らんけどなんかもうそういうのがいちいち気になっちゃうし物語を見せたいのかギャグ100連発を見せたいのか全然わからなくて下調べもなく観に行ってしまった私が悪いんだなという結論です。どうしてこんなことになってしまったのかと調べたら監督と脚本のどちらもCMディレクターとしての実績がある人らしいので「あーなるほど……」って思っちゃったよね。いやもちろんCM畑出身の素晴らしい人もいるんだろうけどやっぱり15秒や30秒でインパクト残す映像を求められる人が2時間の作品はキツイのではと。実際にギャグ100連発みたいになってたわけだし。というわけでなかなかキツイ2時間でした。はてな界隈ネタとしてはエンドロールで「はあちゅう」という名前を見かけてこれまた「あーなるほど……」という感じでした。本編に出てたらしいけど気が付かなかった。あ、あと池田エライザが可愛かったのでそれだけで十分です。

 

ではまた4月分で。(新作観れるんだろうか……)

htnmiki.hatenablog.com